夏の終わり。芝の状態は、それぞれの育て方によって大きく異なります。
芝は植物。本来もっている生理的なペースと、投入する肥料・資材などの人間のコントロール次第で基礎体力が変わります。
8月の終わりは「各人の育て方」による芝の基礎体力の差が大きくなる時期です。
気象庁週間天気予報によれば、どうやら8月末は日照不足で幕を閉じそうですね。
夏の芝生の肥料コントロールは2択「今を楽しむ派」「持続的に楽しむ派」
葉の成長を優先すれば根は劣後する(真夏の芝の特性)
夏の季節は、窒素分を多く与えるほど葉がぐんぐん伸長し、鮮やかな緑を形成してくれます。しかし、光合成で生成した糖の多くは葉の生産に優先的に使われ、葉から最も遠い根の先端などは伸長が止まり衰退しがちです。
このことは、昨年、一昨年の過去動画で何度も説明してまいりました。
また、必須元素のうち「頑丈な細胞壁をつくる」カルシウムは、植物体内を移動できるが他の元素に比べて遅く、果樹などではしばしばハイペースな伸長についていけず、軟弱化する現象が起こるそうです。
芝の場合は距離が短いのであまり神経質になる必要は無いものの、本来の葉の成長スピードをベースにしないと、細胞壁が弱く軟弱化の原因になる場合もあります。(適切なペースなら良いんですけどね(^^;))
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ところで、園芸学の分野では「生長」という言葉の使い分けをせずに「成長」に統一しようという動きが始まっているそうですね。いまさら知りました。お恥ずかしい(^^;))
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今年は6月の日照が強く夏が長かったので、例年以上に、夏の間の管理方針による差が出ていると思います。
芝は満身創痍かもしれません。今年は多くのご家庭で「秋の病害」が大流行するかもしれないな・・・と朧気ながら懸念しています。
芝生の病害の根本対策。効果を出すには長い時間を要します。
芝は植物。1年1年のサイクルを繰り返し、長い時間軸でいきています。だから目先、何が起こっても焦る必要はありません。それは、これまでの管理の積み重ねとして、今、結果が「現れている」だけのこと。
大切なのは、原因と発生の基礎的なメカニズムを知り、ご自身のお庭で目の前で起こっていることをよく観察することだと思います。来年・再来年へと中長期的な視野で病害発生の原因を減らしていく方策のイメージを持つことができれば、改善の第一歩が踏み出せます。
そのレシピは、農業マガジンへの寄稿にまとめてあります
ご自身のお庭の病害の「真因」解明に、多少なりともお役に立てたら幸いです。
農業マガジン(アルム農材)には、
農業・植物・作物に関する興味深い情報がたくさん載っています。↓ココをクリック
殺菌剤のことを知りたい人はコチラのブログをご覧ください
起こってしまった病害を一時的に抑える殺菌剤の活用については、過去に詳細をまとめています。
知りさえすれば、これからどうにでもなるワイ!
とにかく、なっちゃったモンは仕方ない。どーんと構えて未来を見ましょう!
来年、やれることはたくさんある(^^)
芝生づくりは、そのくらいの「鈍感力」があったほうが、楽しいですよ。
何をやっても正解です。
そして、いつからでも「やり直せる」。それが芝生の趣味。
不安や恐怖を抱えるなんてもったいない!だいじょうぶだいじょうぶ(^^)
次の動画か、YouTubeライブ、ブログでお会いしましょう。
チャンネル登録がまだの方は、ぜひ、この機会にお願いします。
では、また!