芝生の雑学 東京40まいる

芝生の手入れに役立つ雑学専門ブログ

家庭用芝刈り機キンボシとバロネスの違い

家庭向け手動リール式「キンボシ芝刈り機」と「バロネス芝刈り機」は、何がちがうのか?について、ちょっと語りたいと思います。実は、この2社の製品の特性は、まったくかぶってないのです。

つまり、使用者の趣向によって、最適な芝刈り機は「コレ!」ってスッキリ決まります。

よく、自動車にたとえて、バロネスは「フェラーリ」、キンボシは「レクサス」と「ヴィッツ」と云われます。

まずは高級機ライン。オーバー4万円の機種

フェラーリ: バロネスLM4D

レクサス: キンボシ クラッシックモアーレジェンドネクス

 

高級ラインは、キンボシ・バロネス、どちらも、もちろん「至高の切れ味」

この2メーカーの一番大きな違いは、「マニュアル車」か「オートマ車」かという点です。

リール式芝刈り機はハサミの原理。リール刃とベッドナイフの繊細な嚙み合わせが、切れ味の生命線です。

バロネス高級機(※高級機しかラインナップがありません)

バロネスは、これを「手動でやる」というもの。手動調節の利点は、微調整によっていつでも「至高の刃当たり」を出すことができることです。

こだわり抜いて、常に95点以上を取るために努力を惜しまない人には、マニュアル車バロネスLM4Dのほうが向いているでしょう。刃の材質も、市販家庭向け芝刈り機ではトップクラスの硬度です。

ただし、調整を怠ったり、メンテナンスしないとその利点(至高)を維持することは難儀になります。リール式芝刈り機の刃と刃の噛み合わせは、常に微細に変化していきますから、これを人間が最適値に調節することこそが、重要なのです。

こまめに機材を手入れしない人には、向いていない・・・とも言えます。

キンボシ高級機

その繊細な刃の噛み合わせの調節を「全自動」でやり続けてしまう機構がついているのがキンボシ芝刈り機。つまり、技量や知識が無い人でも、常に85点(合格点)を維持できる仕組みなのです。

自動車でいえば、アクセルを踏めば誰でも滑らかに前に進む、オートマチック車のようなもの。細かいことは考えずに、芝刈りさえすればキレイに仕上がる・・・そういう「安定の切れ味」がキンボシ芝刈り機の特徴です。

非常に粗削りなことを云えば、趣向とのマッチングはこんな感じ

  • 至高を目指し、微調整の努力を惜しまない超こだわり派の人にはバロネス。
  • 安定を好み、いつでも高級な切れ味を維持したい人にはキンボシ。

 

なお、キンボシは、家庭環境の問題に配慮した、超低騒音の高級モデル

ジャパンモアー GSJ-2500もあります。

www.kinboshi-pro.jp

ここだけの話、ジャパンモアーには、現在の受注ロッドから「バック音」が超静かな、新開発ピニオンキー(静穏)が標準装備され、前後ともに究極の静かさになりました。

youtu.be

普及機ラインナップ トヨタヴィッツに相当するのは?

バロネスには6万円を下回る低価格帯芝刈り機がありません。共栄社の主戦場はゴルフ場の芝刈りマシン。プロの市場から家庭へ、ブレイクダウンする形での製品供給スタイルです。高級機LM4Dがエントリーモデルとなるラインナップ。

キンボシには、普及型量産モデルのロングセラー「バーディーシリーズ」の最新機種、ハッピーバーディーモアがあります。

さまざまな、鋼材製品が急激な価格上昇にさらされる中、現在においても実売価格2万円弱で調達できるこの機種は魅力です。

我が家も、この機種の前身。ナイスバーディーモアを長年愛用していました。

まるで「ほうき」のように、手軽に、いつでも芝刈りできて、国産刃物メーカーの本格切れ味が楽しめるのですから、素晴らしいです。

日本で最初に国産芝刈り機を生産した共栄社(バロネス)

1970年代のバロネス乗用芝刈り機 ※これは最初の機種ではありません

家庭向けに重点を置いて芝刈り機開発を続けてきたキンボシ

1970年代のキンボシ家庭向け芝刈り機

共に日本の家庭芝生の商用化が本格化した1970年代から家庭用芝刈り機を造り続け、ナショナル・日立はじめ多くの国産メーカーが芝刈り機市場から淘汰されても生き残っています。

バロネス・キンボシの2社が、互いに得意とする製品領域を侵さずに、家庭向け芝刈り機市場で、共存共栄の関係を築いているのは、なんとも胸が温まります。

プロユースモデルのラインナップも、バロネスはゴルフ場が主力。キンボシは、公園芝生管理用の芝刈り機が主力。互いに補完関係にあるように見受けられます。

バロネスダイレクトで、キンボシハッピーバーディーモア売っているの、知ってました?

www.baroness-direct.com

競合・ライバル・・・というよりは、この2社は、日本の家庭芝生市場を支えるパートナーなのではないかな?と最近思うようになりました。(僕の主観です)

 

「日本の家庭向け」芝刈り機は、世界的にみたらニッチな市場。

この家庭芝生のために、優れた製品を開発し生産し続けてくれる日本メーカーを

みんなで応援し、これからもこの市場で生き延びて発展してもらいたいものですね。

YouTube『東京40まいる 芝生の雑学』では、視聴者の皆さんとの対話ライブなどを配信しています。よかったらチャットに遊びにきてください。

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次の動画か、YouTubeライブ、ブログでお会いしましょう。

では、また!