芝生の雑学 東京40まいる

芝生の手入れに役立つ雑学専門ブログ

2022年の芝生の手入れ 月別実施作業振り返り 使用道具と資材・薬剤まとめ

家庭の芝生づくりは、ひとたび環境整備が完成してしまえば、巡航管理は簡単です。

2022年9月1日の芝生

今年(2022年)は、我が家史上最低限度の手入れで、史上最高の美しい芝生を楽しむことができました。そのレシピをご紹介しましょう。

「史上最高」と云っても、日照が悪い我が家なりの・・・ですけどね(^^;)

どんな環境の芝生か?はこの動画の冒頭をご覧ください。


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1月 なにもしませんでした

雑草の芽が出たら、コツコツ摘むだけ。あとはなーんもしませんでした。今年は忙しかったので、一部、穂も残ってますね(^^;) 

1月の芝生

2月 枯れ芝の低刈り(除去)と目土入れ

冬の間、地表部を護っていた「枯芝」と地ギワを保護していた「サッチ」を除去して、地ギワ低いところから春の萌芽を迎える準備をしました。この作業は芝が休眠から目覚める前。我が家だと1月終わりから2月上旬が適期です。

2月の芝生

この時、サッチ取りマシンの実力比較なども行いました。


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手作業・レーキでやると、我が家の35㎡の芝生でも、半日作業になってしまいますが、マシンなら僅か15分。労力と時間の点で、サッチ取りの電動マシンは在るべき!と思います。

取り除いた枯芝とサッチ

地表・地ギワがスッキリとむき出しになりますので、目土で保護します。今年は目土に病害菌を抑制する作用がある微生物資材、トリコデルマ菌を混ぜて地表を覆いました。

黒く見えるのは、目土とトリコデルマ菌資材で根元を保護したから

手に負えない病害がイヤなので、我が家のメインコウライシバは、病害対策にかかる、労力・時間・美観を損ねるデメリットを考慮して、必ず、バロネス目土・床土、もしくは焼き砂を使い続けています。管理は格段に楽になりますが、これはとてもお金がかかります。

Dr.トリコ菌については、来シーズンは、家庭向けの小さいパッケージ版が発売されます。

2月26日 アルムグリーン定期散布(第1回目)スタート

アルムグリーンは、農林水産省が認可した唯一の芝生用漢方農薬で、我が家の芝生の安全な健康管理に役立っています。結果、化学農薬は最小限に使用を抑えられるので、トータルでのコスパは良いです。

 

3月 萌芽をじーっと観察

今年は寒い冬でしたので、萌芽はやや遅れ気味でしたが、それでも3月1日にはハッキリと芝が目覚めていることが確認できました。

芝の萌芽 2022年3月1日

例年なら、ここで「春の更新作業」をやるのですが、今年は資格試験の勉強もあり、本業は決算期でもあり、さらにはコロナオミクロン株が大流行で、会社の運営がてんてこ舞い。休日は全出勤でしたので、何も手入れできず、1か月放置です。

アルムグリーンの定期散布を2回やっただけ。

2022年3月1日のコウライシバ

3月9日

黒っぽくなったアルムグリーンと、黄色っぽいアルムグリーンは何が違うの?

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3月21日

4月 簡易更新作業2時間半

コウライシバの緑が揃ってきた頃、ようやく「春の更新作業」を実施です。今年はホームセンターで売っている手頃なキンボシ芝生管理道具だけで春の更新作業をやっていました。作業にかかった時間は僅か、2時間半です。


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これらの道具は、一般家庭向けで、お手頃価格なのでオススメです。更新作業上、なんら問題がないどころか、ローンパンチXの「コア回収」は、ほんとアイデアだなと感心しました。

冬の間、地表部は締まっていたりします。秋に地表ブロック型の芝生用除草剤を使った人などは、地表層をブレイクする意味でも、春、芝が活動してきたら、地表をブレイクしてあげるのは良いことです。

これらの道具たちは、重作業ではなく、軽作業ですいすい更新をできるのがイイですね。

更新から2週間 4月25日の芝生

さて、芝生の手入れのコツの一つとして、「殺菌剤と上手に付き合う」ことも大切。

上手に使えば、少ない薬量で効果的に活用できます。

春は、芝の勢力よりも病原の勢力が高まる季節でもあります。庭で芝生づくりを楽しんでいる方は、ぜひ、僕が書いたこの記事を読んでくださいね。

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4月に、病害予防で使った殺菌剤は、オールラウンダーのトップグラスです。コウライシバにも、セントオーガスチングラスにも効きます。

 

5月 芝刈りとディープコアリング

いよいよ芝の成長に活気が出てきます。この時期までは、極力芝丈は短いままキープしたいので、ジャパンモアーGSJ-2500の音の静かさは強力な武器です。

2022年5月11日の芝生

なにしろ、夕暮れ後、仕事から帰ってきてからでも芝刈りできちゃいますから(^^) 画期的。


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5月下旬になると、梅雨対策を施さねばなりません。ここで念入りなディープコアリングを実施。地下18cmまで深く開けたコア穴に、1つずつ、焼き砂とアルム顆粒を詰めていきます。

我が家の芝生づくりの特徴は、この作業です。「ここまでやるか?!!」ってくらい、しっかりとやります。


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動画を出したのは6月ですけど、作業を実施したのは5月デスヨ(^^)

そして、不陸修正と地表の病原対策を施すのもこの季節。今年は、アルム農材さんから、Dr.トリコ菌の家庭仕様プロトタイプをご提供いただき、密かに我が家の芝生で実証実験しておりました。

トリコデルマ菌資材の活用による、病害対策

なお、トリコデルマ菌については、土壌医の教科書に出てくるほど、ポピュラーな菌です。いままで「家庭向け」が無く、農業用の大容量でしか販売がなかったんですよね。

これからは、家庭サイズで買えるようになりますので、ぐっと身近になります(^^)

 

6月 実験!一日2回の芝刈り

今年はミラクルな6月でしたね。一年で最も日照が強いこの季節。例年は、梅雨で太陽が隠れているのですが、今年は我が家のコウライシバ達は、かつて経験したことがない日照を浴びました。

ヤマアジサイとこの濃厚な芝生の緑は生涯忘れることはないでしょう。

6月下旬には、芝刈りはロボット芝刈り機オートモア305にバトンタッチ!

オートモア305 ハスクバーナYAMAGATA 東京40まいるバージョン

www.saitoagri.com

せっかくの日照ですから、「人間には不可能な頻度の芝刈り」を実験しました。

1日2回の刈込み。朝と夕方、各1時間半稼働させてみました。

緻密すぎて危険なくらいのスゴイ芝生ができあがった!

もしも、我が家の庭の日照が良かったら、毎年、こんな芝生がつくれるのか!と・・・

引っ越ししたい気持ちになってきましたヨw

我が家は「逆境だからこそ」いろいろ実験できるんですけどね。それにしても今年の密度は凄かった。踏み心地も社長室みたいな高級絨毯。

ガルデナアクアズームスプリンクラー

今年は、GARDENAさんから高品質な散水道具をご提供いただき、1シーズンじっくり使わせていただきました。これらの製品のすばらしさについては、みなさんに動画で詳しくご説明したいと思います。

園芸とは道具を愉しむこと也!


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7月 芝の間引きと予防殺菌(梅雨の戻り)

梅雨の戻りがありましたよね。芝の勢力としては、病害の兆候まったくなし!でした。

2022年7月15日の芝生

でも、芝草学会で某著名な先生が、「無農薬は、鉄棒できない素人がいきなりトカチェフにチャレンジするに等しい!」と仰ってたんです。

「農薬を極めた者だけが、無農薬を実践できる」と。

やっぱ、予防殺菌やっとこ。・・・ということで、長雨との相性が良いユニゾン水和剤の散布を行いました。

土壌散布型で、長続きの雨でも、コケなどの増殖まで抑えてくれるので、年間のローテーションに加えておくと、とても便利です。比較的新顔なので、たとえば中古住宅を買った人などは、前のオーナーの薬剤使用状況を気にすることなく導入できます。

さてさて、7月下旬になると、あまりにも芝が濃くなりすぎて通気環境が危険になってきました。

嬉しい悲鳴で、7月末に老朽個体の間引きを実施しました。つまり手動でのサッチ取りです。


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8月の芝生の手入れ

実は、間引き作業以来、実はほとんど何もやってないんです。水管理だけ。

本来なら、芝刈りがタイヘンな時期でしょうけど、我が家にはオートモア305があるので、基本的に全自動です。

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8月下旬、エッジカットして芝生の美観を整えました。

キンボシ専用道具 エッジカッター

カットしたエッジ

昨年、生産終了になった芝生鋏は、いよいよ市場から姿を消しましたが、我が家には、一生分のストックがありますw

 

9月1日 記念撮影して終了!

今年は8月中旬以降、「晴れの日」が少なくて大変でしたね。撮影に適した日がほとんどない。この日もたまたま、正午(昼休み)晴れた隙を狙って、なんとか画像撮れました。

今、思えば、2022年の芝生が最も美しかったのは6月下旬~7月上旬でしたね(^^;)

夏があまりに長すぎて、8月下旬には芝に「疲れ」が感じられます。

今年も芝生づくりの思い出がたくさんできました。

そして、芝たちは既に、「来年のため」の準備を始めています。

2023年の芝生づくりは、すでに始まっているのです。

 

このブログであまり触れなかった肥料コントロールのお話や、各作業の細かい情報は、1年中の芝生作業の詳細をまとめた再生リストがありますので、そちらをご覧ください。

【解説】芝生の手入れ全40項目の詳細解説 - YouTube

僕自身、これらの動画を制作した2020年当時と比べると、専門知識を身に着け、飛躍的に進歩しています。もし、過去動画に不明点があれば、もっともっとわかりやすくご説明できますので、遠慮なくコメントください。

 

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次の動画か、YouTubeライブ、ブログでお会いしましょう。

では、また!