まずはこのショート動画をご覧ください1分でわかります
芝の代謝が成長期に入った合図はナニでわかる?
芝は、葉の数が増えて充分な光合成ができるようになると、基礎代謝に必要なエネルギー量を上回る炭水化物(エネルギー源)を生成できるようになり、余ったエネルギーで身体の拡張に使い始めます。芝の草高が上がり始めて芝刈りが必要になったら、それが始まった合図。
根切りは、エネルギー配分を「あらたな根づくり」に仕向けさせる
自然界では安住の地で充分な根を張ると、より高く茎を伸ばし、より高い位置にタネをつけて拡散させ、その個体は歳月を経て老朽が進み衰退して生涯を終えます。芝も同じで、充分な根を持つ個体は,放っておくと現存の根をベース基地に茎葉を伸ばし、やがて歳をとって衰退していきます。
人間がつくる「芝生」という不自然な状態は、芝の植物生理を人間が操って、若々しい緑の絨毯をつくるように「仕向ける」もの。芝が茎と葉の生成にエネルギーを全力で仕向けたいこの季節に、「新しい根をつくれ!」と人間が指示するのが「根切り」です。
高麗芝やバミューダグラスなど暖地型の繁殖器官は匍匐茎
根の構造は、芝の種類によって様々ですが、冬季に休眠して夏季に繁殖する暖地型の芝種は、地上匍匐茎・地下匍匐茎(根)という横に伸びる繁殖器官を持っています。
その繁殖器官を刃物で断ち切って、それぞれの切り口から、新しい組織をつくらせるのが「根切り」の目的です。つまり1本の匍匐茎の切断面から、それぞれ、新しい匍匐茎を2つ生ませる。
切断することで、老朽衰退していない真新しい匍匐茎が新たに作られるワケです。
これを「更新」(新しい命に置き換える作業)といいます。
根を切る作業をした後は、天然の発根促進剤がオススメ
アルム顆粒をほんのひとつまみ、切り口に落としておくと、芝の根が治癒し始めるちょうど2週間くらいの期間、働いてくれます。
漢方農薬(農林水産省登録)アルムグリーン使っている人は、いつもどーり定期散布!
でも、新しい根が伸びるスペースがなくなっちゃう!!
そのトーリです。1つの根が2つに切断され、それぞれが新しい根をつくったら、土の中が根でいっぱいになってしまう。だから、コアリングで古い根を間引きして、新しい根が育つスペースを確保してあげることが必要になります。
これは、清水エスパルス三保グラウンドのコア。サッカースタジアム等の競技場では、芝の再生力(回復する力)がとても重要なので、いつでも再生力の強い若い細胞で構成された芝を保つ努力をつづけます。そのため、根切りとコア抜きを効果的に多用しているところが多いです。
一般的な家庭園芸の場合こんなに太くコアを抜く必要はナイけど、年に1度くらいは芝の根があらたに生きるスペースをつくるために、コア抜きをやると良いです。
新しい根が健やかにその穴を埋めていきます。
コアリングでつくる縦穴は、新たな根が生えるスペースをつくるだけじゃなく、土の透水性を高め、土の中の空気の入れ替えを促進する効果があります。
これを「エアレーション」といいます。
この超ロングタインは、粘土質土壌などの改良にカナリおすすめ。ただし、石ころ交じりの土壌では刺さりませんのでご注意。
一般家庭向け、エントリー道具としてはキンボシローンパンチXがコスパも機能も合格点。
芝生の管理・作業には、植物生理代謝に基づく「理由」があります。
「根切り」で芝が若返る効果が得られるのは梅雨入り初期くらいまでです。真夏の芝は全力で生理代謝を回転させるので、とても根をつくっている場合ではありません。
むしろ真夏を迎える前に、「根切り」切断面は完全再生していなければいけません。
だから、根切り作業やって良いのは、梅雨入り初期まで。(切断後の回復期間を真夏入り前に確保)ということになります。
雑学を知れば、芝生づくりはもっと面白くなる!
”雑学”を知ればアナタの芝生づくりは”もっと”面白くなる!チャンネル登録者さんには、僕自身が感動した芝生の魅力と面白さを解説を添えて情報提供していきます。
興味ある方は、YouTubeチャンネル登録をお願いします。一緒に芝生の不思議を楽しんでいきましょう!
さらに、メンバーシップでは、WEB上にない、僕自身が発掘した芝生の学び現場をありのままに共有しています。一般知識では満足できない学習マニアな方はこちらもご活用ください。
次の動画か、ブログでお会いしましょう。
では、また!