高麗芝など暖地型芝は老化してフィニッシュへ
11月になりました。我が家の高麗芝の朝の地温は18.5℃。いよいよ高麗芝などの暖地型芝は代謝速度を一段と落とし殆ど動かなくなります。

2026年11月1日午前6:00の庭の高麗芝の根圏地温 千葉県北部
この時期は「老化」(葉緑素の分解回収)が進行し、葉の先端から茶色(黄色)い部分が降りてきて地上部は枯れます。この温度帯になると暖地型芝の病害発生リスクは大きく低下します(※)。残された課題は冬雑草の対策くらいです。一年間お疲れ様でした。
(※病害については、根雪がある寒い地域では雪腐病対策が必要です。)

2026年11月1日朝の我が家の高麗芝。落ち葉と緑の芝生
【参考】秋の芝生の手入れは、地温で判断
昨年の秋のYouTubeライブ配信で詳しく解説していますので、忘れちゃった人は復習しといてくださいね。この画像 ↓ をクリックで御覧いただけます。

スズメノカタビラ対策は、晩秋が肝
地温が下がると、好適温度帯になるのが寒地型です。オーバーシードなどはこの性質を利用して寒地型芝を活用するワケですから、もちろん「寒地型雑草」の活動期となるワケです。中でもスズメノカタビラっは高麗芝に紛れてたくさん生えてくる厄介もの。春から初夏にかけて繁殖した際に、穂をつけるまで放置すると、周囲の土にたくさんの種が残っている可能性が高いです。

一部は秋に発芽して土に根を下ろし、じっと早春を待つ
芝生の下の地面で密かに起こるので、この段階では目視で見つけることは事実上不可能(困難)です。エンバイロサイエンスジャパン(ENVU)の三好さんの試験結果によれば、この「秋発芽」の株が、春に猛威を振るう傾向があるそうです。※過去リンクから解説動画をぜひご覧ください。
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芝生用除草剤(茎葉処理剤)を撒くタイミング
芝生用除草剤を購入するときは、「適合する芝生」をよく確認してください。これを間違えると、大切な芝自体を枯らしてしまうことがありますので充分に注意しましょう。

除草剤は植物を枯らすわけですから、適合する「芝生用除草剤」といえど、使う時期によって大切な芝への影響が皆無ではありません。薬害リスクを低減するコツは、育てている芝よりも「雑草側の感受性のほうが高い」時期を狙うことです。
晩秋は芝生用除草剤使用の最適な季節
晩秋はその典型的な時期。高麗芝などの暖地型芝の貯蔵エネルギー源であるデンプンは地温10℃以下では殆どエネルギーとして活用できません。一方、スズメノカタビラなど寒地型雑草たちが活用しているフルクタンは、5℃くらいまでは活用可能です。

【参考】衰退する暖地型に対し、長く葉を伸ばし始める寒地型(オーバーシードの事例)
これから迎える、地温10℃から5℃までの期間は、暖地型芝の薬害リスクが極めて低く、かつ、寒地型雑草は活動している魔法の時間となるわけです。僕が住む千葉県北部では、概ね、11月終わりから12月はじめがこの時期にあたります。
オーバーシードで寒地型芝(ライグラス類、ブルーグラス等)を植えた人は、絶対にスズメノカタビラに効果がある除草剤を撒かないでください。芝が枯れますよ。
プロ用芝生用除草剤の入手方法と注意点
スズメノカタビラの防除に卓効がある茎葉処理剤、トリビュートODはゴルフ場などのプロユース向けですが、中には、流通在庫を1本単位で販売してくれる業者さんもあるので家庭でも調達可能です。
使用期限にご注意
プロ向け農薬を家庭で入手する場合に気を付けて欲しいのは薬剤の「使用期限」です。
農薬取締法では薬剤の使用期限を守る努力義務があり、販売者側は認可上「期限内に使用できない」とわかっていながら販売をすることが禁止されています。
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薬剤はメーカーからは箱単位で出荷され、プロユースのゴルフ場などでは大型タンクでたくさんの本数を使用するのが一般的な使い方です。
しかし、家庭で調達する場合、小さい芝面積なので、1本の薬剤を複数年かけて使用するケースのほうが多いと思います。それ故、「使用期限が長いもの」を調達することが重要なポイントになります。
購入前に確認するか、届いたらすぐに期限を確認し、あまりに短いものが届いたら「これでは、使用期限までに使いきれない」と申告して交換してもらいましょう。
業者さんは「悪意」ではなく、端数売りの場合は調整用として「すぐに使う前提」なんだと思います。その点、相互理解しましょう。僕たち家庭園芸においては、プロ用薬剤を1本売りをしてくれる業者さんの存在はとても大切です。感謝してお付き合いしましょう。
除草剤に使用した噴霧器は、他の薬剤(殺菌剤など)に使用しないで
これは、農家の皆さんでは常識なのですが、一般の人が意外に知らないことです。
除草剤に使用した道具(特に噴霧器など)は、除草剤専用として、他の薬剤には使用しないようにしてください。散布道具に付着したごく僅かな剤が、殺菌剤などの使用時に芝に強く作用してしまうのは良くあることです。

噴霧器は、除草剤専用とし、他の薬剤(殺菌剤など)には使用しない
たとえば、芝生生産圃場向けの芝生用除草剤シバゲンDFを考えてみてください。極めて微量な薬量で、とてつもなく効果が出てしまいます。
僕がシバゲンDFを家庭で使用することを推奨しないのは、このためです。靴底についた僅かな薬剤でも効果が出てしまうくらい、極めて優れた除草剤。
それは、使用方法を誤ると諸刃となって薬害リスクも高いということです。
噴霧器はドリフト対策がある専用品を選び、除草専用で使う
ホームセンターでも普通に除草剤用の噴霧器が売っています。薬剤が不意に周囲に飛び散らないように先端部が工夫されているものが多いです。専用品を選び、決して殺菌剤散布などに流用せず「除草剤専用道具」として扱いましょう。
春までラクチン、土壌処理剤(芝生用除草剤)を使うメリットと注意点
上記のトリビュートODとシバゲンDFは、いずれも茎葉処理剤です。目的とする雑草が生理代謝している季節に、茎と葉に付着させることで雑草を枯らします。
ここからは、土の表層に作用して、長期間雑草の新しい発生を抑える芝生用除草剤のことをお話します。家庭で手に入るポピュラーな土壌処理剤(芝生用除草剤)の一例は、シバキープです。
芝生の上から、パラパラ撒くことで、土の上層に植物を枯らす成分の層をつくることで、種が発芽して土に根を下ろすと枯らす・・・というメカニズムで雑草の発生を抑えてくれます。土壌処理剤は冬から春に向けて合理的な除草剤の代表格です。
なぜ、芝を枯らさないのか?を理解する
この種類の除草剤の重要な選択機能(枯らす植物と枯らさない植物の仕分け)は、「根の深さ」です。
新しい種は、土の表面や上層部で発芽して根を土におろします。一方、その土地に定着した芝生の根は地下深いところにあります。根が土に触れる位置(深さ)の違いによって、種から発芽する雑草に効くけど根が深い芝生には効かない・・・という合理的な選択性を発揮します。
シバキープには、芝の種類によって暖地型用(日本芝)と寒地型用(西洋芝)がありますので、間違わないように気を付けてください。高麗芝は青いほうです。
薬効が土壌に効いている間は、土をいじる作業をしてはいけない
除草成分が、土の表層部をブロックすることで雑草に効くので、この成分を土の中深くに入れてしまうと、大切な芝にも薬害が出るリスクが高まります。土壌処理型の除草剤を使用したら、薬剤の効果が切れるまでは、芝生の床土を掘る作業(根切りやエアレーションなど)をやってはいけません。
早春(2月頃)に耕種作業をやる人は、この点、充分に注意してください。

土壌処理剤の理想的な使い方
本来は、雑草は手で抜くのが最も理想ですが、毎日少しずつ新芽をヌキ続けねばならず、これはとても深い愛情と根気と時間を要します。
年間の芝生作業プログラムの中で、上手に、土壌処理剤の薬効を組み込むと良いです。
例えば、こんな計画です
12月: 土壌処理剤を散布(効果4か月)
2月下旬: 枯芝の低刈り(土はいじらない)
4月下旬: 根切り(土ごと根を切る)
5月: コアリング(土に穴をあける)
このように、薬剤の効果を考慮して適切に作業時期を組むことが大切です。そもそも、除草剤に限らず、すべては1年間のプログラム設計で互いに影響しながらつながっています。そういう視点で「芝生管理」を組めると良いですよ。
上記注意点に留意して、適切に土壌処理型芝生除草剤を使用することができれば、芝生への悪影響を最小限に、冬から春までの期間、雑草を抜く手間がだいぶ軽減されます。
着色の第一回は、今が好適機
冬の間、着色をやって緑の景観を維持する人は、芝が緑のうちの「今」が第一回目の着色の旬です。

理由も含めこの投稿とYouTubeライブで詳しく解説しましたので、感心がある方はごらんください。
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着色には、冬の累積地温を上方シフトさせる効果もあります。僕は昨年、初めて実施しましたが、春先からとても芝が調子よかったです。何より、冬の間中、なーんにもしなくてもこの緑の芝生がキープできるのが魅力です。

今年も、必ずやります。
芝生づくりに役立つ雑学を有識者の皆さんと共に配信しています
僕が芝生づくりを始めたころは、芝生の育て方に関する正確な情報を収集するのは至難の業でした。一流プロの人たちがモット積極的に情報発信してくれたらいいのになーと思っていた時代があります。今は、それをYouTubeで実現しています。
興味ある方は、チャンネル登録してくださいね。
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次の動画か、ブログ、ライブ配信でお会いしましょう。
では、また。
JGA認定資格制度 1級芝草管理技術者
家庭園芸普及協会認定 プラチナグリーンアドバイザー
日本土壌協会認定 土づくりマスター
緑の安全推進協会認定 緑の安全管理士
芝生の雑学 東京40まいる