YouTubeのショート動画で「高麗芝が育たない日陰の最後の砦」としてセントオーガスチングラスをご紹介したところ、「やってみよう!」という人がコメントをくれました。この事例をもとに、同じ敷地内で高麗芝とセントオーガスチングラスを併用する場合の雑学についてまとめます。
日陰に最も強い芝 セントオーガスチングラスの動画をご覧ください。
以下、返信内容
セントオーガスチングラスが必要とする日照レベル
本来は太陽の光を好みます。日陰への「耐性」が芝の中で最も強いんです。高麗芝が5〜6時間以上の日照が必要です。一方、セントオーガスチングラスは、我が家の実用では最低2時間の日照があればなんとか繁殖します。
ドッグランでのご使用の場合はノーマル種かシェード2がおすすめです。(葉が小さいシェード3という選抜種は避けてください。繁殖力の観点から。)
適した気候・・・寒冷地には向かない
セントオーガスチングラスは、地表にしか匍匐茎(繁殖器官)を持ちません。だから冬の寒さが苦手です。冬場、氷点下になる気候の地域には適しません。この点はご注意ください。
高麗芝との併用 夏季は月に1~2回境目の匍匐茎を除去
高麗芝と併用する場合、境目部分の匍匐茎の侵食だけを注意すれば、侵入は避けられます。セントオーガスチングラスはアレロパシー能が高い芝なので、定着してしまえば他の芝がセントオーガスチングラスに侵入することはあまり生じません。
逆に、地上匍匐茎が高麗芝エリアに侵入して根を下ろすのを許してしまうと、セントオーガスチングラス優勢になってしまうので気をつけてください。
生育旺盛な夏場、6月から9月は、月に1〜2回、高麗芝エリアに進出しようとする地上匍匐茎をカット・除去すれば、美しい境目が維持できます。この場合、互いに侵食しません。動画最後の方の高麗芝とセントオーガスチングラスのカットがそれです
よく生えてくる雑草と対策
メヒシバ・アキメヒシバ
初期はメヒシバがよく混入します。穂がつく前に除去(種子こぼし回避)し続ければ、次第に数が減り、セントオーガスチングラスが優勢になります。
見分け方は、葉先が尖っていてツヤが少ない葉があったらそれがメヒシバです。株ごと手繰り寄せて抜き取りましょう。
カタバミ
塊根が形成されてしまうとしぶとく居座りますので、見つけ次第抜きましょう。
チドメグサ
刈込高を低く管理するとよく生えてきます。匍匐根ごとこまめな取り除きをおすすめします。
薬剤・・・適合農薬は基本的にナイ
日本ではマイナーな芝なので、農薬登録上の適合薬剤がありません。我が家の実例では、高麗芝・日本芝に適合する薬剤なら、かかってしまっても生育に大きな問題はなさそうです。
繁殖・・・挿し芽でどんどん増える 無管理地では暴走するので注意!
切り取った匍匐茎を挿し芽すると、簡単に増やすことができます。繁殖力が強いので、無管理地(手入れをしない空き地など)に植えるのは控えた方が良いです。
イケムラ博士の「セントオーガスチングラスによる芝生管理マニュアル」
静岡県のホームページから、この芝の研究分野での第一人者、池村博士が作成した資料を入手することができます。ぜひ、ご活用ください。
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