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世界一日陰に強い芝、セントオーガスチングラス3種の違い

日陰に最も強い芝、セントオーガスチングラス

家庭園芸の救世主、あなたのお庭の陽当たりが悪い部分を、芝生にできるかもしれない。そんな夢のような期待に満ちた芝種が、セントオーガスチングラスです。日本では流通が難しいため、殆どの人はこの芝を知りませんが、世界では、コウライシバより有名な基本芝種の一つです。

僕のYouTubeチャンネルトップ、右の芝が、それです。

コウライシバやバミューダグラス(ティフトン等)が健康に育つためには、最低限、一日6時間以上の日照が必要ですが、このセントオーガスチングラスは、芝丈さえ適切にコントロールすれば、2~3時間の日照でも育ちます。

陽当たりが悪いところでも芝生にできる 2022年10月末頃撮影

通販で調達できるセントオーガスチングラス3種の違い

セントオーガスチングラスに分類されている中にも、実は、学術的には様々な種類・品種があるのですが、その中で我が家で育てている3種について、その違いをご説明します。

セントオーガスチングラス ノーマル種

国内では、取り扱っている業者が極めて少ないので、調達方法は、特殊な場合を除き、ネット通販しかないと思います。その中でも、品種指定しないで発注すると届くのがこのタイプ。

ノーマルのセントオーガスチングラス

コウライシバにたとえると、いわゆるホームセンターで売っているような、普通のソッド。この種の良いところは、さまざまな性質を備えた個体が自然体で混在しているので、その土地の生育条件にあった個体が次第に定着し、さまざまな悪条件への適応範囲が広いこと。それこそがノーマル種(選抜していない製品)最大の強みです。

週一回または2週間1回の刈り込みを継続すると、極めて緻密になり地面を触ることができなくなります。手入れ好きの方に最も向いている楽しい芝です。

ただし、繁殖力が強いので管理放棄地のような人の手が入らないところには植えないほうが良いと思います。

耐寒性強いシェードⅡ セントオーガスチングラス選抜種

耐寒性が強い選抜種 シェードⅡ

コウライシバにたとえると、TM9のような、ある特殊な性質を持った個体で構成される選抜種です。セントオーガスチングラスは、温帯・亜熱帯地域の芝なので冬の厳しい寒さに弱く、マイナス4度を下回る日が続くと枯れてしまいます。

基本的な性質はかわりませんが、その中で、特に、耐寒性に強い個体で構成された選抜種が、このシェードⅡです。

ノーマル種に比べ、葉の性質が均質に整っていますので、見た目にも美しく仕上がります。伸びや繁殖は、ノーマル種よりはやや抑えめ。植付から根が定着するまで暫く足踏みしますが、春植えで真夏にはキレイなターフを形成します。

葉色は、ノーマル種より濃く、葉幅が均質なので美しいです。

耐寒性については、我が家では今シーズン初めて植えたので、まだ評価できません。来春以降、お伝えしたいと思います。

葉のキメが細かで色が濃い シェードⅢ セントオーガスチングラス

シェードⅢ まだまだ希少で珍しい種類です

他のセントオーガスチングラスとは一線を画す小ぶりの葉で、葉色は季節を通じて最も濃いです。最盛期のコウライシバの葉色とも自然に馴染むので、芝生地の木陰などの景観補完に活かせそうです。生命力は強いのですが、殆ど成長しません。春(5月GW)植付後、殆ど変化がないまま真夏の最盛期を迎えましたが、8月下旬ごろから地表を覆いはじめました。

葉がほとんど伸びず、かといって枯れるわけでもなく・・・実に不思議な芝です。

葉幅は小さく、色がとても濃いです。黄緑色ではなく「緑」。おそらく、ノーマル種やシェードⅡとは、違う品種がベースになっていると思います。

シェードⅢについては、ネット上には導入実績の情報が見つからないので、我が家での経過を観察し、今後も情報発信していこうと思います。

セントオーガスチングラスは、温帯・亜熱帯地域の芝です

他の芝が育たないエリアを、芝地にできる可能性があるセントオーガスチングラス。

この芝は、地下匍匐茎を持たず、太い地上匍匐茎と垂直に地中深く(地下18~20cm)伸ばす根によって構成されています。休眠は遅く、葉色が本格的に茶色くなるのは、1月頃から。

それだけ、寒さにダメージを受けやすい芝です。

世界規模での生息可能地域最北端は、僕が住む千葉県北部あたりまでのようです。

これより冬が寒い地域では、毎年、張り替えが必要になると思いますので、導入の際はご注意ください。

もし、毎年植え替えを前提に考えるなら、繁殖旺盛なノーマル種がオススメです。

適合地域で、しっかり定着さえて育てるなら、シェードⅡが扱いやすいと思います。

シェードⅢについては、実に興味深く、今後の経過を観察していきたいと思います。

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雑草に関するアレロパシー能(セントオーガスチングラスを植えると雑草が生えない)の噂についての実際の話


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挿し芽で増やす、セントオーガスチングラス


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