芝生の雑学 東京40まいる

芝生の手入れに役立つ雑学専門ブログ

6月の芝生の手入れ 芝刈りはどうしたらいいのか?

芝生の手入れは2か月未来からの逆算

6月の芝生の手入れで意識することは、梅雨明け後にやってくる最盛期。真夏の環境です。真夏は、灼熱の太陽の下、芝が葉・茎・根の生理的循環がフル回転します。

このとき、芝が全力で活動できるように、いかに梅雨明けを、芝が完成した状態で迎えるか

コアリングなど根を切る作業の適期は6月上旬まで

だから、コアリングなどの根を傷つけて活性化を狙う作業は、梅雨入り初期ごろが限界。それ以上遅いと、傷が完全治癒しないまま猛暑の夏を迎えてしまいます。

芝丈はムリせず、お庭に合った最適値に引き上げる

6月からは、美しさの収穫期8月に向けて、芝が余裕を持って生理的活動を行えるように、徐々に庭の環境に合った最適な芝丈に引き上げていきます。

お庭の環境に合った最適芝丈に引き上げる

引き上げるといっても、放置するのではなく、狙った高さで、隙あらば何度でも回数多く刈り続けるということです。

芝の生理反応を刺激して一層美しい芝生に仕上がります。
これからは、芝の生理的循環が最も活性化しますんで芝刈り頻度は、とても大切。
よく刃とぎしてシャープな刃で刈り込みましょう。

どの芝丈がベストかは、庭の環境と芝の状態次第

陽当たりが良く、良好な土壌のお庭では芝丈1cmでも充分健康に育つかもしれませんし、我が家のように住宅密集地で陽当たりが悪く、粘土質土壌で水はけがわるい!なんていう劣悪条件では2cmにしないと芝が衰退してしまう・・・なんてケースもあります。

芝の葉は、エネルギーの生成のためのいわば太陽光パネル。芝の元気の源です。

芝丈を低く刈って「美しくなる」のは、芝の元気があってこそ。そのお庭の環境に合わない「過度な低刈り」は芝を衰退させる原因にもなります。(これは本末転倒)

なんだかわからないけど芝が元気がない・・・という場合は、まずは芝丈を引き上げてみるのも手ですよ。

芝刈りの頻度はどうしたらいいの?

これは方針により異なります。つまり「楽をしたい」のか?「美しさにこだわりたい」のか?です。

<楽をしたい場合>

刈込み1/3法に基づいて、芝丈が1.5倍になる前に刈込めば充分。

ご参考までに、我が家の千葉県北部の高麗芝、梅雨の期間の事例

  • 芝丈1cmの場合:週3回
  • 芝丈1.5cmの場合:週1回
  • 芝丈2.0cmの場合:2週間に1回

つまり、芝丈が1.0倍~1.5倍に伸びる間、人間が楽をできる・・・ということです。

6月は病害に注意する季節でもあります。切れ味の悪い刃で芝刈りすると、芝の葉を引きちぎるようになり、剪断面がいびつで病原が侵入しやすくなることもあります。


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できることなら、よく刃研ぎした芝刈り機の刃で、芝の葉の剪断をスパっ!っと真っすぐにカットすることをオススメします。

 

<芝の密度にこだわりたい場合>極力、芝丈を変動させないこと

1.5cmと決めたら、極力、1.5cmの長さでありつづけるように何度も何度もチャンスあらば芝刈りし続ける。そうすることで芝は上に伸びることへの期待を捨て、地表の葉の数を増やしていきます。美しさにこだわる人は、そうやっています。

しかし、一般家庭で人間がこれを実践するのはとても困難。住宅密集地では騒音も問題になります。これを解決できる方法は2つ。

【選択肢1】音が静かな芝刈り機を使う

昨年、新開発されたジャパンモアーは、おそらく現在発売されている手動リール式芝刈り機の中で最も低騒音でしょう。

新開発の音の静かな芝刈り機 ジャパンモアーGSJ-2500


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www.kinboshi-pro.jp

【選択肢2】究極はロボット芝刈り機

最近、日本の家庭市場でも定着しつつある「ロボット芝刈り機」が人間の手作業より優れているのはこの点です。常に刈り続けることで芝の分げつを促します。

芝丈をずーっと一定に保つ(つまり上に伸ばさない)というミラクルが成立します。これは芝の生理的メカニズムに最も合致した方法です。この動画の冒頭をご覧ください


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雨の日でも問題なく芝刈りし続けられるので、現在考え得る限り、6月の芝刈り道具としては最強です。我が家では2020年から試験導入をしましたが、現在のところデメリットがありません。手作業の芝刈り週2回レベルに匹敵する芝生の美しさが保てています。

現在、自治体や企業でロボット芝刈り機の導入が急速に進んでいる他、家庭向けも急速に普及してきています。近年、ロボット芝刈り機が家庭の主流の一つとなるのは間違いありません。

オートモアは、ロボットペットとしてお庭を彩ります。

次のブログでは、「水の流れのコントロール」についてお話しします。

お急ぎの方は、この動画ですべて解説済ですのでご覧いただければ幸いです。

ご質問は動画コメント欄にいただければ、詳しくお答えします。


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芝生のつくりかたは「人それぞれ」。その人の目的と芝生に割り当てられる時間によって、自身に合った最適な方法を見つけることこそ大切。

僕のYouTubeや、SNS活動では、その「選択肢」を見つけるための基礎知識を公開しています

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