芝生の雑学 東京40まいる

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春の暖地型芝が辿る4つのプロセス変化の見分け方

1年前にアルム農材さんの「農業マガジン」に寄稿した「春の芝生の4つの生育プロセス」について、とあるコミュニティーで「①→②、②→③、③→④のプロセスの切り替わりは、どーやって見分けるの?」という話題がありましたので、混乱がないように、原作者として整理しておきます。

出典:「農業マガジン」アルム農材 「芝生の育て方」より

該当の記事はコチラ 「農業マガジン」アルム農材

www.almnet.co.jp

動画版の解説はコチラ


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①休眠→②目覚め の見分け方

実は、外からは見分けがつきません。萌芽(地表への出芽)の1週間くらい前には、目覚めて密かに呼吸を開始してエネルギーを使い始める。

この時期を察知するために、重要や役割を果たすのが「花時計」です。

我が家の庭にある、芝の覚醒時期の指標となる花時計は、この梅の木です。

花が満開になった日の、ちょうど暦で1か月後くらいに、芝が萌芽します。

つまり、②目覚め への移行時期は、我が家の庭の場合

この庭の梅の花満開日+1か月-1週間

で、概ね割り出せます。植物たちは「暦」で活動しているのではなくて、環境(気候その他)によって、植物ホルモンの濃度と混合度合いが変わることで、生理代謝を変化させます。

だから、植物のことは植物に聞け!・・・なのです。花時計はこの場所の環境条件を表す正確なバロメーター。重宝します。このことは、過去にグリーンアドバイザー資格の研修会で学び、実際にやってみたら「本当にそうだな!」と心底思いました。

あなたのお庭にある花時計と芝の生育の関係、紐づけて観察しておくと、来年、役に立ちますよ。

②目覚め→③消費成長期 の見分け方

③は、物理的に目視できる、芽が出たときから始まります。

芽が出たあと、芝は葉鞘から葉身を出していきます。

これが、消費をしながら成長する段階。まだ葉の形成が芝の身体全体の生理代謝に対して十分ではなく、上に大きく伸びることができません。

暫く、背丈があまり高くならないまま、数を増やしていきます。それに必要なエネルギーの多くは、備蓄している炭水化物からまかなわれます。

消費成長をしている限り、芝はあまり大きく育つことができません。

だから、この季節、芝刈りが必要になるほど芝が伸びることがナイんです。

③消費成長→④生産成長 の見分け方

生産成長期、芝が自立して生理代謝を始めた状態の見分け方は、超簡単です。

芝刈りが必要になったら、それは④生産成長期に入った証。

芝の本能は、いつだって生存競争を意識しています。自然界ではできる限り早く上に伸びて、より多くの太陽の光を取り込まなければ、他の植物に太陽の光を奪われてしまいます。

春先、芝がなかなか伸びてこないのは「葉が足りず、成長に必要なエネルギーを確保できない」から。だから芝は準備が整い次第(エネルギー源である糖を充分に生成できる状態になり次第)上に伸びてきます。

それが、④生産成長期が始まった目印です。

芝の生理代謝のこと、正しく理解してあげて、良い土・健康な芝生に育てましょう!

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