お子さんがいる家庭なら、芝生を張ったらプールで思いっきり遊ばせたい!って思いますよね。僕もそーでした。引っ越してきた最初の年、夏場は幼少の子供たちのために頻繁にプールをやりました。
なぜか、芝が生えてこなくなった
翌年の春になっても、なぜか芝が生えてこないエリア。ある時気づきました。これ、去年プール置いたところじゃん!!
なぜ、芝生にゴム(ビニール)プールを直置きしてはいけないのか?
真夏は、高麗芝の最盛期。一年で最も活発に細胞分裂し、次から次へと新しい組織をつくっている季節です。だからこそ、葉が生き生きとして美しい。
芝が新しい細胞をつくるためには、光合成でつくったエネルギーを全開で成長に使い切り、根から水分・養分を吸い上げるために、そのポンプ役である葉の気孔から盛んに蒸散をさせています。
プールを直置きすると、これらの生理的メカニズムに甚大なダメージを与えます。
日光が当たらなくなる
芝の活動の源は、なんと言っても光合成でつくる糖。なにはさておき、これが無いとはじまりません。プールがつくる日陰は、光合成を阻害します。
葉の蒸散ができない
水を張ったビニールプールによって芝は密閉状態になります。そうすると葉の気孔からの蒸散を著しく阻害します。
それにより、水分や養分を根から吸い上げるための体内の管の負圧も損なわれます。
芝の地表部の蒸れが良くないのは、ポンプ役である葉の蒸散が止まってしまうから。
根の呼吸も困難に
長時間、重量物であるプールの下敷きにすると、さらに悪いことが起こります。
根の呼吸の停止です。短時間であれば地中の空気を吸っていられますが、長時間にわたり地表が遮断されると、地中の酸素を使いつくし、土壌などから排出されるガスなどが溜まります。
こうして、芝の生命維持活動にとって重要な機能が著しく損なわれ、「芝が傷む」という現象が生じます。
詳細は、この動画の11分過ぎくらいをご覧ください
日照を一時的に遮るのはしょうがないとして、せめて空気の循環の余地を確保しましょう
重量物を載せても、ちゃんと芝が呼吸するスペースを残してくれる便利な道具があります。
ローンガードナー。芝生を踏圧から護ってくれるものですが、プール設置のベースとして役立ちます。
同様の商品は他にもあります。
我が家で使用しているセキスイ エスロン「芝想い」は廃盤になりました
良いものが廃盤になっていくのは悲しいことです。こんなイメージの商品です。
真夏の芝生の上で、おもいっきりプールを楽しみたい方は、ぜひ、今のうちに「芝生の保護」について準備されることをオススメします。
もちろん、プール後は、できるだけ早くプールを撤去してあげてくださいね
我が家では、プール実施後は、絶好の水はけチェックチャンス。こんなことやって楽しんでおります。
芝生の手入れは、一年中面白い!
芝の生理的な機能の仕組みを理解して、芝も人も喜ぶ幸せな芝生ライフをお楽しみください。
YouTube東京40まいる「家庭芝生の雑学」では、芝の生理的メカニズムに着目した専門的な情報を、わかりやすく解説した動画がたくさん公開されています。
情報源のひとつとして、ぜひ、お役立てください。
次の動画か、ライブ、ブログでお会いしましょう。
では、また!