刃物メーカーキンボシの「しばタンのブログ」。めでたく4000号を記録された影で、さりげなく凄く残念な衝撃ニュースが記されていました。皆さんお気づきでしょうか?
ちなみに「しばタンのブログ」の筆者は、キンボシ株式会社 代表取締役社長 田中隆夫さん、ご本人です。
キンボシ芝生鋏2105(ノーマル)と2106(レーキ付き)が生産終了
唯一と言ってイイ日本製の精巧な芝生鋏が、金型の破損により、突如、生産終了となりました。
日本製の名機2105、2106は、こういう道具です。
冒頭、15秒だけでイイのでご覧ください。
金型を作り直すには高額の投資が必要となり、海外製の安い芝生ハサミが溢れている現在の市場では、芝生専用設計として一から金型を起こすと採算が合わない(みんなが十分に買ってくれない)というご判断だそうです。(※「しばタンのブログ」ご参照)
刃物屋さんが精巧につくった芝生専用設計のホンモノ「日本製芝生鋏」は、おそらく唯一無二だと思います。
そもそも日本の市場で「芝生専用設計」となると、物凄く小さな市場向けの商品。
家庭の芝生管理用に専用設計で製品を作ってくれるメーカーは極めて稀です。
そうして生み出された奇跡の製品が生産終了となってしまうのは、芝生愛好家として残念でなりません。
安く入手するなら今のうちだと思います 2000円台前半
「生産が終了する」というニュースは、現時点ではあまり知られていないようです。
現在は競争原理が働いて、ネット通販ではカナリ安く売っているショップがたくさんあります。
楽天ではこのへんが最安値圏です(^^)
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一方、すでに同じものが3000円を超える価格で売られていますので、今後の価格動向に注意が必要です
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これから起こるであろう市場プロセス(※私見です)
① 「絶版」という情報が次第に広まる
↓
②購入したい人が増える・既存リピーターが将来分を確保する
↓
③価格が安い店の受注が伸びる
↓
④キンボシの在庫が切れ出荷が止まる(いつそうなるかは不明)
↓
⑤安い店が調達できなくなって取り扱い終了
↓
⑥高い店の在庫だけが売られる(調達可能価格上昇)
↓
⑦プレミアムがついて価格高騰 or 市場から姿を消す
↓
⑧やがて入手不能になる
ノーマル2105を選ぶか、レーキ付き2106を選ぶか?
両方持っている僕の実体験からお話します(^^)
ハッキリ言って切れ味には両者差がありません。レーキ付きのほうが便利です。
キワのボーボーの伸びた芝をかき分けたり、局所的なサッチングレーキ(サッチの掻き出し)としても使えます。何より「特殊感」がかっこいい。動画撮影にはレーキ付きの2106が映える(^^)
でも、横着でない人は、別途レーキを用意しておけば良いわけですから・・・
結局のところ切れ味が同じなので、価格が安いノーマル(2105)のほうが、ちょっとオススメかな?というのが僕の正直な感想。
あとは、予算とお好みで・・・っていう感じです。あまり深く悩み込まなくて大丈夫。
どちらを選んでも「良い」ですから(^^)
ちなみに、芝生鋏2106(レーキ付き)の楽天での最安値、安値圏はこれ。
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2000円台でも売ってますね。これならレーキ付きを選ぶのもイイかも。
高い店では5000円を超えます。
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ふるさと納税っていう手もある。
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ふるさと納税で手に入れる場合は、その年の寄付総額に対して2000円だけは持ち出しが出ますので、よーく注意してくださいね。
意外にも、ノーマルとあまり変わらない価格で売っているショップもありますので、ほんと、今なら「お好み」で選べますね。
ハサミは消耗品。「将来、調達できなくなること」が問題なのです。
芝生のキワ用道具は、地面のスレスレの処理に使うもの。「切れ味」には寿命があると思います。地表スレスレの芝をカットするにつれ、何年か使用を重ねるうちに次第に砂や土で摩耗が進み、刃の切れ味が落ちてくることでしょう。
そんなとき、この2000円前後の手頃な価格の商品というのは、躊躇なく「買い替え」ができる。おそらくこれまでもリピーターになっているファンは多いのでは?
何より、日本の刃物職人魂でつくったホンモノの刃物(しかも家庭の芝生専用設計)は希少です。
今後は、妥協して海外製品を選ぶにしても、日本の芝庭用専用開発!なんて製品はそうそう無い。
似たような回転バサミは、おそらく模倣品の低品質品しかないでしょうから、ホンモノを知っている人にとっては、使用感に落差が大きいかと・・・
僕は芝生鋏一生分(30年分)を最安値で確保しました
宅配便で届いた箱は、ズッシリ重い。良質は鋼材をたくさん使っている証。
これは協賛でも企画でもなく、ガチの自費!個人購入ですよ。
ハードユースで5月~9月に週に1回キワをこのハサミで剪定したとして、3年で刃の切れ味が衰えると想定。3年×10本=30年という計算です。
30年後というと僕は80歳。西暦2051年です。
本当に公約どおりなら世界中のクルマは電気で走っているはず。(ほんとにそーなるの?)
化学肥料はつかわれず、有機やバイオスティーミュラントで作物が栽培され、世界中の土壌が豊かに回復している。(ほんとにそーなるの?)
・・・ていうか、自分、生きてるんだろか???(かなり怪しいw)
地球はどーなってる?www
ということで、芝生鋏「一生分」を、今のうちに手に入れておきました。これで芝生鋏のことで悩むことは「生涯ない」はずw
その安心が2万円で手にはいるなら安いものです(^^)
絶版カヤバシザーズジャッキの教訓から(日本製の絶版)
自動車好きなら知っているカヤバ(KYB)の「シザーズジャッキ」。
大勢のファンを抱え惜しまれながら、2008年に生産終了となりました。
この製品を使ってみればわかる。油圧のダイレクト感、そして高い信頼性。さすがMADE IN JAPANなのです。
元々は、広く流通していて、価格も8千円台~1万2千円程度で、いつでも手に入る商品でした。
これが、「生産終了」のニュースと共に、一気に2万円~3万円に価格上昇。
当時の自分の判断では「さすがに2万円出して買う気にはならないなぁ。。」と買いませんでした。(当時の自分にとっては8千円で手に入るハズだった商品)
しかし、僕自身も、そしてモータースポーツ愛好家の多くが、13年経った今でもこのKYBシザーズジャッキを使っています。
他のメーカーが製造・販売権を譲り受け、今でも同じ名前の商品が海外製造の新品で売られていますが、「油圧のダイレクト感」は、元祖のMADE IN JAPANとは違うんです。
今振り返れば、3万円出しても新品が手に入るうちに買っておくべき製品でした。
もう、二度と手に入らない・・・
アイリスオオヤマ 蓄圧式噴霧器(SEシリーズ)(日本製の絶版)
これは20年以上前に生産終了となっている製品です。他の手動蓄圧式よりもポンプシリンダーの構造がしっかりしていて、効率がよく壊れにくいのです。(何しろ我が家で20年使ってますからw)
気づいたときには、生産終了から何年も経っていたので、補修部品を買いあさりました。(一通り壊れても対処できます)
市場環境がおかしい。良いものが淘汰されてしまう現状。製品はどんどん悪く安くなる。
1970年代後半~90年代を生きてきた皆さんは共感していただけると思います。
昔は「新製品が出るたびに品質・性能UP」が当たり前でした。それは市場が、社会が、より高機能、より良いモノをお金を払って買っていた時代だから。
日本の経済も右肩上がり。銀行にお金を預けるとどんどんお金が増えていた時代です。
(ある意味、国家・銀行・家計が仕組みで連鎖し、国家統制の保護下で日本企業が育っていた時代でもありますが・・・)
この時代を生きた人たちは、高いお金を払って「良いモノ」を手に入れる喜びを知っていた、あるいは憧れを持っていました。
「いつかはクラウン」なんて、象徴的ですね。
90年代初頭、バブルが崩壊し、やがて金融危機を迎えたころから日本の社会・価値観はまるで変ってしまいました。
今の時代は、将来に不安を感じる時代。将来の給料・将来の働き方・将来の自分の生活・そもそも将来の日本・・・とても、高いお金を払っている余裕はありません。
将来に不安が多ければ、なるべく最小限の出費で必要最低限をクリアする商品を選ぶ(これを「節約」というのでしょうか。)のが当然のことでもあります。
贅沢は敵だ!・・・の時代に逆戻りです。
良いモノが市場から淘汰されると、次に起こることは何でしょう?
そう、低品質品の値上げ・・・です。競合が居なくなるから低品質品でも価格を上げることが可能になる。それを狙っての壊滅的価格破壊です。
日本製が負けた未来にあるものは、海外製品を高く買わされる・・・ってことじゃないか?と僕は思うのです。(※自論です。)
できることなら、日本のものつくりを応援したい!僕はそんな風に考えています。
おっと。こんな悲観的な見方はいったん置いておいて、違う角度でみれば・・・
このクラウンのCM時代に夢見ていた「豊かな未来」は、とっくに達成して、今の社会は未知の未来の領域に居るんでしょうね。
イイことだってたくさんある。たとえばこのブログやYouTube。WEBでいつでも世界中の人と会える時代。
1970年代~1980年代に憧れた未来のその先に、居る・・・ということ。
この時代を思い切り楽しまない手はナイのです!(^^)
イカン、また本題から脱線したw
キンボシ芝生鋏のような芝生専用の高品質製品は今後生まれないと思う
芝生のキワって、極端な話、100均のハサミやカッターでも、見た目は同じに仕上げることはできます。
こんな高品質な鋏(2105・2106)は、とても贅沢な製品であることは間違いない。
キンボシさんは、よく、こんなニッチな市場のために製品を作ってくれたものです。
きっと「良いものは必ず売れる!」という信念の下、みんなが喜ぶ明るい未来、豊かな社会を夢見て心を込めてつくり続けてくれた製品なんだと思います。
ホンモノを求める「芝生マニア」にとっては、この上ないありがたい製品。
気持ちよく切れ味を楽しみながら芝生の手入れしたいではありませんかー!!!
未来も・・・ もう終わってしまった(TT)
かく云う僕は、実はつい最近まで中国製品を使っていました(懺悔)
こんなに熱狂的にこのハサミのファンになった僕ですが、ほんの3か月前まで、芝生のキワ刈りには中国製の汎用品の植木鋏(数百円で買える)を使っていました。つまり「安物」を選ぶ市場を形成していた消費者の一人です。
だからこそ、安物を選ぶ心理もよーくわかる。
芝生のキワって、土や砂を噛むことが多いので、あまりお金をかけてイイものを使う必要はない!と考えていたから。
このキンボシ芝生鋏に出会ったのは、キンボシさんからの「協賛」。2105(ノーマル)と2106(レーキ付き)各1本をご提供いただいたのがきっかけです。
これがなかったら、僕は知ることがなかったと思います。
品質の良さは、パッケージを開けて刃を動かした瞬間にわかりました。
なんという滑らかな「シャキシャキ」感。刃の根元から先端に向かって均一になめらかに、作用点が移動していくのです。
これぞ、刃物屋さんの職人技。1本1本、精巧に仕上げた日本製の鋏。
刃を水平にすれば、サピサピサピサピっ!!って、ウルトラスムーズな芝刈りが可能。
刃を縦にすれば、パチン!パチンっ!!と小気味よくエッジをまっすぐに処理することができます。とにかく作業効率と気持ちよさが段違い。
熱狂的な芝生愛好家でありながら、このようなイイモノに全く関心を示さず、安い中国製を「使い捨て」と考えて雑に使っていた自分が恥ずかしい。
そして、この結果(僕みたいな人が大勢いる結果)、キンボシの日本製芝生鋏が再起できない市場となってしまったワケです。
この「ホンモノの良さ」が、潜在的に高品質を求めるであろう「熱狂的な芝生愛好家」に届ない・・・ここに、高品質商品が淘汰されてしまう原因があるような気がします。
これは、自分も含め、多くのSNS情報発信が「自分が知っているモノ」を「イイ」としか言えない。公正に製品を比較・検証する機関や、情報発信源が無いからなんだと思います。(そもそも全体を知らない人が、部分を見て情報発信している状態。)
昔は、園芸雑誌など、プロの媒体が比較検証の役割を果たしてくれていました。
その「本」・「書籍」が、いまや絶滅の危機です。2016年以来、芝生書籍が発行されていないのもこのため。
いつかは、自分がそういう役割を担えるように、業界のもっと多くの方々とかかわっていきたい!・・・と強く思うのです。(老後の目標ね(^^;))
結局、市場の価値観をつくっているのは、私たち消費者。
消費者が、如何に品質を求めるか。そしてその品質に対していくらのお金を支払うかで、市場に供給される「良いモノ」の最高値は決まってしまいます。
市場の価値観が「安物」に向いてしまい、このような素晴らしい日本製の高品質刃物が市場から撤退していく・・・
なんとも感慨深い。
これが今の市場環境。芝生愛好家一人ひとりの価値観の総和なのです。
ハサミは新品がイイ
刃物は書籍とは違い「中古」はあまり意味がないんですよね。切れ味が命ですから。(cf. 書籍は中身に詰まっている「知見」こそ命。だから中古でも同じ知識が得られる。)
ハサミというのは、2つの刃のすり合わせにより、物体の分子間結合をその結合力より強い圧力をかけて分断する装置。「支点」「力点」「作用点」の芸術です。
刃先は、その繊細な作用点。研げばイイってもんじゃない。かみ合わせ(きわめて微細な接点に全圧力を集中させる)こそが命の道具なんです。
だから中古でクタクタになった刃は、腕のイイ人が研いで調整しないとなかなか最初のような切れ味には戻りにくい。
一方、「新品」は保管さえちゃんとしていれば、何年経っても「新品」。職人さんが一本一本調整して仕上げた芸術がMAXのスペックで待機しています。
もし、30年後、YouTubeも僕も健在だったら、きっと真新しいこのハサミを使って剪定していることでしょう。
そのくらい、日本製芝生鋏の品質を気に入っています。「使えばわかる」という高品質商品の象徴です。
Twitterで、5cmさんに、このハサミにまつわるこんなレビューを教えていただきました。
この方のレビュー泣ける。 pic.twitter.com/m0CO86ogXq
— 5cm (@5_cm) September 16, 2021
なんてステキなんだ!!
こうして最後まで僕のブログを読んでくれるのも何かのご縁。
購入される皆さん、世の中の大勢の芝生愛好家が気付く前に、一足早くこっそりと(^^)
ご健闘を祈ります。
このブログを書いているうちに、将来に向けた良いアイデアが浮かびました。
このハサミ、市場に潤沢にあるうちに、もっと買い増しするかもしれません。
みなさんとはライバルですね(^^)
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