芝生の雑学 東京40まいる

芝生の手入れに役立つ雑学を解説

芝生の肥料の使い方・考え方と注意点

芝生に使う肥料の役割と使用時期を正しく理解しよう!

この記事では、家庭の芝生で使うよくある「肥料」について、その特性と有効な使い方、使用上の注意点などを詳しく解説します。

「芝生」では、ひとたびグランドカバーしてしまうと、土を入れ替えることは困難です。だからこそ、長期の時間軸で「土の包容力」と対話しながら、土が進んでいる方向を見定めて進めていくことが理想です。

前提知識:「芝の生理代謝」を意識した一年の流れ

まずは1年間、「どんな時期」に「何の目的」で、肥料を与える必要があるのか、考えてみましょう。

芝の年間の代謝サイクルを考慮すると、シーズンには、大きく分けて4つの異なる生育管理期間が存在します。

1.形成を意識する期間

休眠覚醒から、萌芽して葉が生えそろって上に伸び始める手前まで。根の貯蔵に依存して茎・葉を形成している期間です。

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2.成長を意識する期間

葉が生え揃い、成長に必要な量を上回るエネルギー量を光合成で生成でき、かつ、生育最適温度で、過剰な成長は起こりにくい気候。根・茎・葉の体幹を強くする時期です。

3.抑制を意識する期間

温度が生育適温上限付近もしくは上回り、夜温も下がらないためエネルギーの消費が激しい時期。シンクプライオリティーが茎葉に集中し、根が犠牲になりがち。

4.貯蔵を意識する期間

葉の光合成でつくるエネルギー源を、今年の成長よりも来年の為の貯蔵に優先させ、茎葉の成長よりも根に仕向けさせていきたい時期です。

近年は、秋になっても温度が下がらないことが多く、翌年のための貯蔵に向けた管理は一層難しくなってきています。

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上記4つの期間において、それぞれ何を考慮して肥料管理するのか?

この動画で、年間の芝生の手入れの留意点と、肥培管理の考え方を詳細にわたり解説しています。


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肥料それぞれの性質と、使い方の注意点

肥料の効かせ方は「人それぞれ」。これでなければイケナイということではありませんので誤解なく。保証成分と照らした効果的な利用方法と、使用する場合に注意しておいたほうが良い留意点を記述します。あくまで参考の一例だと受け留めてください。

ここでは、以下の肥料について解説します。

バロネス芝生の肥料 すぐに効く・安定して一定期間肥効が持続する

窒素・リンについては、速効性と緩効性の組み合わせ。それにカリウムがバランスよく入っています。かつ、大きさの異なる粒を組み合わせることによって、地表に定着してからの肥効が安定して発現するように調整されています。いわばオートマチック肥効の肥料です。

大肥料要素である、窒素・りん・加里 いずれも効かせることができます。散布して地面定着後、散水によって肥効の溶出をある程度調整できますので、コントロールがしやすいです。

「少な目」に使っている限り、土にも・肥効にも悪影響を及ぼしにくい、定番肥料です。

実際の使い方は、こちらをご覧ください。


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ゴルフ場の定番、バーディーエース新1号と中身は一緒です。

しかし、こちらを買うとアフターサポートがつかないので、アマチュアの方にはバロネス芝生の肥料を購入することをオススメします。買った後に生じるさまざまな疑問に、優秀なスタッフさんが個別対応でサポートしてくれます。

www.baroness-direct.com

イデコンポガーデンEV すぐには効かないが土にやさしい

おそらく鶏ふんを主体とする混合有機質肥料に、植物油粕という組み合わせ。そこに化学性の硫酸アンモニア尿素。つまりは「肥効コントロール」に必要なものはすべて入っている「全部入り」の総合的な肥料です。

家庭向け肥料成分がバランスよく配合されているので、難しいことを考えなくても、この肥料だけを使って適量を守ってさえいれば、長期的にも土に悪い影響を与えにくい「土環境にやさしい」肥料だと僕は思います。

一般に、けい糞などの有機質肥料は土壌にとっては理想なのですが、肥効コントロールが難しい点がデメリット。イデコンポガーデンEVでは、化学肥料と混合することで実に良いバランスに仕上げてくれています。

スグに効果を実感したい人には向きませんが、長期軸で「極力手間のかからない穏やかな土づくり」を目指す家庭園芸芝生の人には、最も適した肥料です。

使用上の注意点としては、含まれるバチルス菌資材は、温度によって想像以上に効きます。真夏の直前などは避けて、年間の施肥設計の早目の時期(梅雨入り頃まで)に使用することを「僕は」オススメします。

ハイポネックス マグァンプK く溶性りん酸成分が、家庭芝生に魅力

ご覧いただいてわかるとおり、「りん酸」を効果的に植物に効かせるための肥料です。

40%も含まれる「く溶性りん酸」は、水ではイオン化せず、植物の根の根酸で溶けて効果的に吸収されます。

なんで水に溶かさないのか?というと、リンは植物の根よりも土の中のアルミニウムや鉄などと結合しやすく、その状態になると植物がイオンとして取り込むことは不可能になってしまうからです。

根に抱き込ませて、根の先端部の根毛から出る根酸に直接触れるところで溶けだし、イオンとなって植物が吸収できる状態になります。水溶性と大きく異なるのはこの点です。

次に多く含まれるのは、同じく「く溶性」の苦土、つまりマグネシウムです。マグネシウム葉緑素を構成する重要な元素であると共に、りん酸代謝に関係する多くの酵素を活性化したり、りん酸の吸収と体内移動に働く元素です。

りん酸は、いつ?芝生の何に?効かせるのか

ズバリ、根の発根と茎の分けつの促進です。だから年間の芝生管理において「使用すべき時期」があります。本来なら、春先、萌芽が始まる時期から使いたいのですが、りん酸の植物吸収には「地温」が大きく影響します。

土壌医検定の教科書では、地温10℃のときと20℃のときでは、リンの植物吸収は10倍も違うと教わります。なので、萌芽期は潔く捨てて、成長期を待つのが最も効果的だと僕は考えています。

地温が上がり、芝が体幹を強くする時期。つまり、ちょうど今の季節(5月~6月)。

お気づきでしょう。つまり「コアリングの目砂詰め」に、ごく微量を混ぜる。

画像をご覧いただいてわかるとおり、「ごく微量」です。コア穴1つに、1粒入るか?入らないか?で充分です。りん酸は、土に多く入れてしまうと、土から取り除くことは困難です。入れすぎにはくれぐれも注意しましょう。

過去3年間の実証結果から、コア穴1つに、年に1回、マグァンプK中粒を1粒か2粒入れる程度では、床土の有効態リン酸量に、悪い変化は生じなかったことは検証済です。(グライ土ベースの床土(リン酸吸収係数850程度)の場合の実証結果です。

芝の根は、深さ全長の半分の深さまでで70%の仕事をします。つまり、このく溶性りん酸を、もっとも配置すべき位置は、地中、深さ6~8cm位の位置が理想ですね。

キンボシローンパンチXや、バロネスタインエアレーター(ノーマルタイン)を使っている人(実効長 6~8㎝程度)でしたら、コア抜きした穴に、中粒を1粒、ポトっ!って落としてから砂詰めすれば、もっとも理想的な配置になります。※これをヤルのはヘンタイレベルのコダワリだと思いますけどw

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何事も、「理想」を知っておくのは大切ですけど

「理想どおりやるか?」は、人それぞれ。いくら拘っても、元々、基礎的な手入れをきちんとやっている芝生は、そう大きくは成果が変わりません。

仕上がり60%の人が85%になるのは大きな変化ですけど、元々95%の仕上がりが、96.5%になっても大した違いないでしょ?w そーいうこと。

ご自身に合ったコダワリ、ご自身が「楽しいと思える」妥協も大切。

マグァンプKを芝生で使用する場合の注意

入れすぎないこと。りん酸は、窒素と違って土に放り込んだら植物が使ってくれない限り、減らずにずーっと土の中で化学変化して結合して残り続けます。芝生のように土を入れ替えられない(※芝を破壊しないかぎり)植物の場合は、特に気を付けましょう。下手に入れるなら入れないホーガいい。

pHが低い場合は使用を控える。pHが低い(酸性に傾いている)とアルミニウムや鉄等の溶出が強くなるので、より、りん酸が固結しやすくなります。

他の肥料や資材との組み合わせに注意。 たとえば、微量要素肥料(鉄など)と同時に使うのはNGです。

これを見て、え?なんだか面倒臭くて不安と思った方、その感覚が正しいです。使うのヤメましょう。(※ これを使わなくても、例えば前述のバロネス芝生の肥料を使えばリンは含まれています)

ちょっとマニアなコダワリ派が、しっかり勉強してから芝生に使う。それが正解だと思います。

メネデール芝肥料(液肥) 超速効性の調整肥料

ホームセンターでも売っている定番の芝生用液肥ですね。故に、どんな性質のものか、わからずに使っている人も多かったりします。

ご覧のとおりすべて水溶性です。与える段階で「イオン化」した状態。とくに、窒素については硝酸態窒素が半分弱です。硝酸態窒素は、芝が最もおいしく吸収できる状態である反面、マイナス電荷のイオンなので土に吸着せず、撒いたそばから移動していきます。植物がそのまま利用できる状態。人間に喩えると「点滴」だったり「栄養ドリンク」みたいなものです。

 

この肥料は、「ここぞ」というときに、瞬発力重視で使うのに向いています。そして、すぐに肥効が切れるのは、芝生の管理においてはメリットに働くこともあります。

特に、夏場など、過剰なチッソを与えると、芝の成長スピードにカルシウムやホウ素などが追いつかず、軟弱化して病害やさまざまな生育不良の原因になったりします。こういう時に、残効は残さず、一時的に窒素の肥効を調整する・・・という使い方で重宝するのです。

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肥料・資材は、性質を理解して、適材適所。効果的に使いましょう。・・・の代表例ですね。とても便利な液肥です。

僕は実験用ポット芝の調整用に使っています。植木鉢の中はキャパが狭いので、液肥での管理が最適です。(常に目が届くところにあるので、手術台の上の患者さんの容態を点滴で管理する麻酔科医のようなモンです)

芝生をやっている人は、手元に1本持っていると、何かと便利です。

間違わないように注意!緩効性タイプの ”ECO” もあります。

ネットでメネデール芝肥料を購入するときは、間違わないように気を付けて。ほぼ同じデザインパッケージで、ECOってタイプがあります。これは、速効性じゃなくて緩効性の液肥ですよ!

メチレンウレアを使用した化学的緩効性(微生物によって鎖を分解されると肥効が出るのでゆっくり効く)肥料に、茎や葉、土にまとわりつく物理的な仕掛けももったタイプです。通常のメネデール芝肥料とは肥効がぜんぜん違いますので、間違わないように気を付けてください。詳しくはこのショート動画。


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サカタのタネ 鉄力あくあF14 芝の葉色を良くして光合成効率を上げる微量要素肥料

マンガン・ほう素・鉄・銅・亜鉛モリブデン・・・ときたら、勉強している人ならスグわかりますね。微量要素肥料です。微量要素というのは、植物の乾物重あたりの必要量、0.01%以下で正常に生育する元素。(ただし、これが欠けたら植物は生きていけない。)

必須微量要素の必要量をイメージしてみよう 芝の乾物1Kgあたりの含有量

わかりやすく1Kg(1000g)の重さの芝の乾物(水分を飛ばして残ったもの)があったとしましょう。その中に、肥料として与える元素がどのくらいあるのか?っていう話です。これは2級芝草管理技術者研修「肥料」の科目で教わります。

炭素・酸素・水素に次いで多く肥料として最も多く人が与える

「窒素」は約15g入っています。

微量要素の「鉄」は0.1g

微量要素の中でも、もっとも必要量が少ないモリブデン」は0.0001gです。

1Kg中ですよ!

つまり、微量要素というのは、基本的に土の中に含まれるもので充分です。

何らかの土の中の影響で植物が吸収できない状態になっていたり、吸収した後、植物体内での移動に支障が生じている場合などに、この微量要素肥料が役立ちます。

微量要素肥料は、生育不良の改善のきっかけを与える特効薬として使う

植物体内をショートカットして与えるので、たとえば代謝が落ちて根・茎・葉の生理循環が停滞している時などに、葉面散布で与えると、鉄やマンガン・ホウ素の葉面吸収によって光合成効率が上がったりします。

裏ワザですけど、芝の葉色の調整にも使えます。

中心から手前の葉色が、異常な不自然な緑をしているのがわかりますか?

散布から5~7日経つと、このように葉色の変化が現れます。実際にスポーツターフでの葉色管理に、鉄を含む微量要素資材を使うこともあるそうです。

我が家のこの写真、7日前にこの鉄力あくあ を使って撮影したものです

こんな風に、特に陽当たりが悪い庭での、鉄補給(光合成効率向上)と葉色の一時的な改善に役立ちます。

使いすぎに注意!

微量要素、金属元素は、必要なものですがその必要量は極微量(ゆえに微量要素)ですので、葉色が良くなるからと、何度も使うと芝が全体にドス黒くなります。そして何より手触りが「ペター・・・」となって、とても不健康な芝になります。

微量要素肥料を連用している芝の表情

プロは、「鉄つかったな」って、すぐに見抜きます。

家庭園芸芝生では、これが必要になるシーンは、あまり考え難いですから、年に一回のピーク写真撮影前に1回(撮影の5~7日前)に、1回だけ使う。とか。

その場合も、地面に落とさないように、噴霧器で葉面散布で使うと良いと思います。

その他、アルムグリーンなど、僕が実証済の資材についてはコチラをご覧ください

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肥料は土の化学であり生物学。簡単なようで奥はとてつもなく深い

土は何をやってもある程度までは包容力があって、緩衝能に支えられ激変は起こりません。しかし、ひとたびキャパを超えると、それ以降は何年もの間、その影響を引きずることになります。

僕たちがやっている「芝生」は、「土の入れ替え」が容易ではないので、今ある床土の管理を慎重に、大切にしたいですね。

無資格時代につくった動画ですが、今見ても言い得てると思います。


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このブログで、自分が使っている肥料や資材を紹介するにあたっても、このように何年もの検証が必要でした。


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自分自身の理解力の向上(土壌医検定2級は、土壌診断の処方箋を書けるレベル)を図って、何年もの時間をかけて、やっと。なのです。

土づくりも、芝の生育も、人間の成長も・・・長ーい時間軸でコツコツ、着実に前進させていくのが良いのでしょうね。

土の場合、「すぐに効果が出る」のは、何かおかしい・・・どこに負荷をかけてるのかな? と考えるようにしています。 土とそこに住む微生物たちの共奏によってこそ、本来の植物のイノチの営みがあるワケですからね。

 

このブログ記事が、芝生愛好家のどなたかの施肥設計の役に立つたら嬉しいです。

土と肥料のこと、入門学習するなら土壌医検定3級がオススメ

世の中、実に様々な、園芸に役立つ資格があります。その中でも、最初に目指すべき基礎の基礎満載の資格が、「土壌医検定3級」です。

(※以下、日本土壌協会より土壌医検定のホームページの引用・転載について特別許可をいただいています。)

「土壌」はどの植物関連資格でも必須の学習項目です。最初に基礎学習を終えて「土は得意!」になってしまうと、他の資格のチャレンジがスムーズになります。

僕のYouTubeチャンネルメンバーシップの人達には、この資格へのチャレンジ・有資格者が増えています。

チャンネルメンバーシップ 「芝生の学びと裏情報」https://www.youtube.com/channel/UCL0rff6oYD5MglBDjvNDYIg/join

 

この教科書には、日頃から肥料を扱う人(趣味も含め)にとって、「なるほど!そーいうことか!!」がたくさんあります。

僕のYouTubeチャンネルでは、これから、土壌医検定の受験勉強を始めるチャンネル登録者さんに向けて、参考になる情報も提供していきたいと思います。

よかったら、チャンネル登録してくださいね!

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次の動画か、ブログ、ライブ配信でお会いしましょう。

では、また!

2級芝草管理技術者 プラチナグリーンアドバイザー 土づくりマスター 緑の安全管理士

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www.kateiengei.or.jp