久しぶりにライブ配信しました。テーマは「2022年の芝生づくり」。
12月は今年の芝生を振り返り、来年のプランを考える月。
芝生づくりでは「肥料」についての誤解から、生育不良や病害が強くあらわれることも多いようです。この新作動画では「誤解」が起こりやすい原因と、来年の芝生づくりに役立つ「とても簡単な方法」をお伝えしています。
肥料は土に変化を与え、芝はこれを吸収して身体をつくります。肥料を考えるときは、本来「土」を中心に考えなきゃいけません。
「家庭用」にパッケージされた肥料には「多くのご家庭の土のケースで安全に作用する値」としてマージンが確保された「用法・用量」が示されています。難しいことを知らなくても、この基準さえ守っていれば、概ね、安全に効果を楽しめます。
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/ntuti16.pdf
今年は8月のお盆頃に長雨が続いて、9月になったら一気に気温低下。
9月以降、芝の勢力低下に伴って美しかった芝生が病害でボロボロになっていく事例をたくさん見かけました。その中には「土が原因だよなぁ」・・・と思われるケースもいくつか。
しかし、土は長い時間をかけてゆっくりと変化していくもの。日々の肥料管理の累積がながーい時間をかけて土の状態を変えて様々な化学変化を起こしていきます。
被害が出ている渦中に「それ、肥料の影響だ!」なんて指摘しても打つ手がありません。
だから、冷静にプランを考え、長い時間をかけての改善を思考できる「今」が最適な時期だと考えました。
月刊家庭の芝生4月号で詳しく説明しています。来年の芝生づくりのご参考のひとつとして、お役立ていただけたら幸いです。
ぜひ、チャンネル登録をお願いします!
12月と1月は、ごく一部の「熱心な芝生愛好家」しか芝生動画を見ない季節なので、より核心に触れた情報を発信しやすい時期でもあります(^^)
2022年シーズンが始まる2月初旬までの間の動画は、マニアックな情報提供が多くなると思います。お楽しみに!
次の動画かライブ、ブログでお会いしましょう。
では、また!
今日から12月です。この季節、お庭の芝生管理で「ちょっと知っておくと役立つ」情報、家庭専門の芝生愛好家のアタマの中身をご紹介します。
暖地型芝の場合、すでにこの季節は葉の生長が止まっています。だから「今」芝生のキワのボサボサにハサミを入れて整えておくと、冬の間中、スッキリとした芝生の輪郭が楽しめます。
こんな感じでシャープな輪郭が冬の間中、ながーく続きます。
芝生を切るハサミは何でもイイです。100均の普通のハサミでも「芝を切ること」はできます。ここからは個人の価値感によりますが、せっかく趣味で芝生づくりを楽しむなら、ちょっとだけ贅沢して「ホンモノ」の道具の使い心地を味わうのも楽しいです。
そういう人は、刃物屋さんが真剣に作った「芝生鋏」を使うのも選択肢のひとつ。2000円程度の出費で芝生専用鋏が手に入ります。興味がある方はこちらのブログをご覧ください。しかし、残念ながら既に生産終了なのです・・・なんてこった。
高麗芝など、日本の家庭のポピュラーな芝の多くは種を介さずに繁栄していく栄養繁殖の生態です。もっぱら地上匍匐茎と地下匍匐茎によって生息域を広げ増殖していく性質の植物です。
だから、穂は退化していて自然体では殆ど発芽しません。放置してもイイけど、不要なものなので、なるべくなら無駄なエネルギー消費と養分流失を抑えるために、早いうちに摘んでしまったほうがイイ。
そんな名目で、我が家では毎年、秋の風物詩として穂摘みを愉しんでいます。
(※あまり神経質になる必要はありません。やっても、やらなくてもイイ作業です。)
今年の芝にじーっくり向き合う、最後の機会になります。芝の生命力に感謝して、今年もたくさんの思い出をありがとう。と思いながらお別れします。
家族と一緒に、競争しながら穂を摘んだりすると、とても楽しいですよ。
京阪園芸さんの入門書籍「芝庭つくり コツのコツ」では、オーナーが芝の管理に割くことができる時間や庭の陽当たりなどを考慮して「手に負える広さの芝生レイアウト」にすることの大切さなどにも触れられています。
庭の中の芝生レイアウトについて解説した書籍は少なく「これから、庭に芝生をつくろう!」という人の「芝生エリア設計」に、とても参考になる書籍です。
厚みのある芝生草高は、雑草の種の着地の邪魔をし、新しい芽にあたる日光を遮るなど、冬の雑草勢力の初期段階の活動を鈍らせてくれる効果があります。
土壌は元々「物理的緩衝能」を備えています。例えば外気温が急激に変化しても土の中は緩やかに変化します。枯芝の厚みは、この緩衝効果を一層高めるのに少し役立ちます。(※芝は強い植物なので、あんまり心配し過ぎなくても大丈夫です。)
具体的には、寒い朝の霜など・・・これらが休眠中の芝の大切な命、芝の根の地中浅いところに影響を与えるのを緩和してくれたり、イイことがたくさんあります。
僕が住む関東南部は比較的温暖な冬ですが、稀に、大雪が降る年もあります。2014年に僕が公開した動画です。神奈川県に住んでいた頃ですが、こんな年もありましたよね。
緻密で分厚い芝の葉の層は、芝の活動が旺盛な時期しかつくることができません。
だから、年間戦術の中で、いつから「冬芝を意識するか?」の切り替えポイントがとても大切。
我が家では今年は、8月中旬から、冬に向けた芝生草高づくりを意識して調整しました。
健康な芝生づくりのための手入れは、年間戦術です。ながーい時間軸で、常に「数か月先」や「来年のこと」をイメージしながら「今やること」を考えて手入れしていきます。
常にフォワードルッキングとバックキャスティング。未来を想像し「今やるべきこと」を逆算で考える。それが芝生づくりの趣味の楽しさのひとつです。
芝生に生えた雑草は、とにかく「赤ちゃん」のうちに摘み続けたほうがいいです。
雨戸をあけたら出勤前にちょっと芝を見渡して小さな芽をつまみとる。・・・この数分の習慣の継続が時間軸の進行とともに絶大なる効果を発揮します。
理由は2つ。
スギナやドクダミ、ハマスゲやカタバミなど、根塊や根茎で増殖していくような雑草は、一度、土壌に根付くと完全駆除が困難です。
でも、小さな赤ちゃんのうちにコツコツ取り除けば、根は常に完全駆除可能です。
芝生の雑草でとても厄介なのは、実は、空から飛んでくる種じゃなくて、土の中で待っている「休眠種」のほうなんです。
雑草の種の寿命は、短いものでは1年(翌年)、長いものでは何年も地中で休眠し続けられます。今年こぼした種は、来年の同じシーズンに光を浴びると発芽スイッチが入ります。
特に、秋のエアレーションは、冬雑草の休眠種に光を届かせ起爆になることが多い。だから僕は秋はエアレーションしません。
実は「今闘っている雑草」の多くは、去年や一昨年に芝の土壌に落ちた種だったりするのです。
農業の分野では、この休眠種の駆除に大がかりな蒸気処理などが用いられています。
騙されたと思ってやってみてください。1年目は殆ど効果が出ないと思います。2年目も「だまされた?」って思うかもしれません。まだまだ効果は半ば。
しかし、3年目・・・「あれ??生えてこない!」と驚き、4年目「確信に変わる」
3年続けても効果が出なかったら、その時は謝ります。ダマされたと思ってずーっと続けてみてください。各段に芝生の雑草駆除が楽になります。
ただし、一時も気を抜いちゃったらダメですよ。雑草が種をこぼしたら振り出し(1年目)に戻ります。(雑草だって生き残りをかけて必死なのです。)
僕たちが向き合っているのは「植物」の命です。彼らは1年を1サイクルとして数年単位の生理的サイクルの中で生きています。
雑草も、虫も、本格的に自律的効果が出るまでは何年もかかるのが普通なんです。
それを理解して芝生づくりを楽しむと、さまざまな「現実」が見えてきます。
「人間基準」でせっかちにならず、「植物基準」でながーーい目で変化を楽しんでください。
僕たち人間は、現在、人類史上経験したことがない超高速のデジタル社会の変革を生きています。こんな時だからこそ、変わらぬ「生命」植物たちの時間軸にじーっくり向き合い、想像の世界を愉しんでみるのはいかがでしょうか?「芝生」や「ガーデニング」が、本来の「人間らしさ」を取り戻す素晴らしきリフレッシュになるのだと、僕は思います(^^)
雑草たちは時間をかけて地球を緑にするチカラだってもっています。本来、雑草は地球のため、様々な生態系の正常回転のために「必要なもの」なんです。
それを「人間都合で排除」するのですから、人間側にはそれなりに覚悟がいります。目を三角にせず、こんな感じ(^^;)で微笑み(苦笑し)ながら、雑草の「若い芽を摘む」ことを楽しめたら素敵ですね。
このブログでご説明したことのほか、来年の芝生づくりに活かせる豆知識をさくさん収録しています。ぜひ、YouTube動画版もご覧ください。
この動画の内容に興味がある方は、ぜひ、チャンネル登録と、ベルの通知マーク「ON」をよろしくお願いします!
次のブログか、動画、ライブ配信でお会いしましょう。
では、また!
今晩19:30に公開する月刊『家庭の芝生』12月号では、今年の芝生の実践で得た豆知識をぜーんぶ語ります。よかったらYouTubeライブチャットに遊びにきてください(^^)
<動画の内容>
0:00 オープニング
01:09 今が旬の「穂摘み」
02:29 「芝草高」による物理的緩衝能
04:00 「芝刈り」は年間戦術
04:25 「若い芽を摘む」こそ省力化
05:56 今こそ「キワ」の手入れを
06:28 冬の間の「構想力」が成功を導く
07:17 「コアリング」こそ改善の礎
10:33 春の「芝生用除草剤」不使用はキツイ
11:53 「病害対策」肝は明渠排水性
12:30 「セメント砂」姫高麗芝は不調
12:58 これが病害の恐ろしさ「セントオーガスチングラス」壊滅
14:55 実は物凄く強い「匍匐茎芝」の生態
17:00 「芝生」って何だろう?
18:10 このチャンネルの運営を変えます
はてなブログ10周年特別お題「私が◯◯にハマる10の理由」僕は家庭専門の芝生づくりマニアなので「芝生づくり」がなぜ、こんなにも楽しいのか、みなさんにその理由をお裾分けします。
毎日変わる太陽の僅かな傾きを敏感に感じ、芝の萌芽とともに春の訪れを感じ、若葉と共に春を過ごし、美しい緑と共に夏を迎え、秋の訪れとともに枯れていく。
そしてまた、次の春へ・・・ 自分の生活の記憶と共に、その年の季節ごとの気候の想い出が鮮明にのこる。1年を何倍も濃厚に感じることができます。
一年中、季節の変化に密接に関わりながら、その小さな変化を味わい感動し続けられるのが趣味の芝生づくりの醍醐味。
「芝生を育てる」とは、命と気候と環境と直接対峙すること。芝の世話は、将来の予測・想像と「今打つべき手」の選択の連続。毎日が冒険。結果は時間の経過と共に芝生の美しさにあらわれる。
想像力・予測、そして攻略。まさに冒険の連続なのです。
もちろん芝は生きている。虫だって生きている。病原菌だって生きている。
見えない菌だって生きている。小さな庭の小さな世界で実に様々な生物たちが共存しあっている、「生命の神秘」を感じ続けられるのが芝生づくり。いつもは気づかなくても。ちょっと目を向けると、そこには壮大な世界が広がっています。
芝生づくりを楽しむ愛好家同士は、いわば、同じアドベンチャーに挑む「同志」。
感動も、悩みも、攻略の歓びも、この21世紀はSNSを通じてお互い魅せあうことができる。面白い時代になったものです。「芝生をテーマにどんどん人がつながる」
広いようで実は狭いこの世界。芝生づくりを真剣に勉強していると、思いがけない大者の先生や識者・研究者の方、そして様々な専門家の方とのお繋がりもできたりします。
芝生を楽しむ人達との実際の交流が始まったりします。
自分の庭で芝を育てて、SNSで発信しているだけなのに、どんどん広がるミラクルな世界です。
日本芝草学会は、だれでも入会可能な開かれた学会。「知りたい!」「勉強したい!」という強い好奇心と学びの熱意さえあれば、最高峰の知見にだってアクセスできる。
とても開かれた世界が、すぐそこにあります。
超ハイスピードの現代社会とは異なり、芝は植物。超スロー。
生物としての「人間らしさを取り戻す」にはもってこい。
じーっくり芝生に向き合えば、日々の多忙な生活では気づかない様々な大切なことに気づくことが多くなります。これを「気分転換」というのでしょう。趣味はこうでなくっちゃね!
生物には、生態的生息域(相互に作用しあいながら活動する場・会社や繁華街など)と、生理的生息域(本質的に心地よく生きていくことができる場)があるそうです。
芝生などのグリーン環境は、まさに生理的生息域。人が生物である限り心身の健康維持に必要な場所です。
コアリングやサッチングは重労働。芝生管理はいわばスポーツ。全身運動です。
運動不足解消に芝生づくりw ・・・と言いましても、たいへんなのは年間ほんの数日ですけどね。
春から初秋まで、生きた芝は常に新しい細胞に入れ替わり続けます。
芝の葉はいつだってフレッシュ!よく管理された芝生はとても清潔です。
芝生のある家庭で育った子供は、何歳になっても「幼少期の想い出」の背景が美しい緑です。僕はそうして、芝生のある家庭で育ちました。
半世紀経っても、芝生の緑、香り、そこで過ごした懐かしい日々の記憶があり続けます。
芝生っていいね。
このブログは、YouTubeライブで「みんなでつくろう!」と試みたものの、ネット通信状態が良くなく、断念したものです。楽しみにしてくれていた人たち、ごめんなさい!
また、みんなで考える企画をやりたいと思います。ぜひ、参加してね。
次の動画か、ライブ、ブログでお会いしましょう。
では、また!
この動画に「珪砂は目砂として使えますか?」というご質問コメントがありました。芝生づくりの目砂選びで考えたほうが良いポイントをまとめます。
おそらく、「珪砂」とおっしゃっているのは、こういうヤツのことじゃないかなー?と思います。
簡単なようで正確にお伝えするのがとても難しいご質問です。大きく2つの要素で答えが変わります。まず第一の要素は「芝をどんな風に育てたいか?」。第二の要素は「その砂はどういう品質か?」です。
我が家で使用実績があるのは、主に3種類。
メインの高麗芝で使用中
セントオーガスチングラスエリアで実験中
姫高麗芝エリアで実験中
我が家では、「バロネス焼き砂」「珪砂5号」「セメント用の安い砂」を使用して、その違いを2年間観察しました。その結果得られた教訓を共有させていただきます。
まず、粗削りに申し上げると、どんな砂を使っても最終的には芝は育ちます。気を付けるポイントは、「海由来で塩分を含むもの」と「貝殻などアルカリ性のものを含むもの」だけは避けたほうが良いということです。
珪砂という名前の砂にもさまざまなものがあります。
「山で採取したもの」「川などから採取したもの」「海床に堆積したもの」などです。そして自然に磨かれて粒が丸まったものと、岩を砕いて人工的に砂にしたものがあります。製品として「砂」にするにあたり、「無調整」のものと、「洗浄」したものと、「加熱」して雑菌などを排除したもの、加えて「pH調整」したものがあります。
もちろん、後者に近づくほど「安全で高価」になります。
「高級な芝生用砂」の代表格として「バロネス焼き砂」の製造工程をご覧いただけるとわかります。(ページ下方参照)
まず、第一の要素「芝をどんな風に育てたいか?」という方針により砂の選択を判断することになります。
塩分が含まれず貝殻を含まない砂なら何を使ってもたいてい大丈夫です。
公園や数千円でプレーできるリーズナブルなゴルフ場や、フェアウェイなどでは、そういう砂を目砂として使っていることもあるように見受けられます。
ただし、コストパフォーマンスと引き換えに、病原菌や雑草の種、昆虫の卵などが混入しているリスクは受容することになります。
リスクを低減するためには、購入した後、ご自身の手で、大きなバケツ等(ゴミ捨て用のバケツなど巨大なもの)でたくさんの水を使ってよく水洗いすると良いと思います。(最低でも5回以上は水を入れ替えて洗ったほうが良いです)
酸度計などでpHを測定し、概ね中性(7)~弱酸性(6方向)であれば、芝に適合します。(たいていは適合します。)
貝殻が混じっている砂など、アルカリ性の物質を含む砂を使うと、芝が喜ばないばかりか、地面にカビなどが生えやすく芝が死滅する原因になります。産地と中身は確認したほうが良いです。
そして「土」は以外とナイーブです。たとえば植物が育つための必須元素のうち「カリウム」「カルシウム」「マグネシウム」には拮抗作用があって、どれかが多いと他の元素の吸収が抑制される・・・など、土・砂の性質によって植物はさまざまな影響を受けます。この「バランス」は、安い砂にはあまり期待できません。品質も常に一定とは限りません。
でも、芝は生命力が強い植物(雑草に近い)なので、芝丈さえ適切な長さに管理して日照がしっかりとあれば、たいてい「育ちは」します。
芝生用に調整された「焼き砂」や「洗砂」がオススメです。しかし出費は嵩みます。
「洗浄」「加熱」「調整」という工程が入る上、この手の砂は通販などで売られることが多く「輸送料」が上乗せされます。だからどうしても高価になってしまいます。
芝生の手入れで最も難儀なのは「謎の病気」です。土や砂が変わると、その都度、土の性質によって違う病害が発生したりするので、性質がパターン化(その庭固有・季節固有の病害の出方)されず、対策を考えるのが難しくなったりします。(予防が打ちにくく、症状が出てから対処するなど、芝にダメージが多くなる方向)
もし、お庭の病害パターンをちゃんと把握して、無駄なく適切に予防管理を行いたいのであれば、「土」「砂」の持ち込みによる「変動要素」を排除しておいたほうが無難(庭の性質がわかりやすく、効果的な対策が打ちやすい)です。
「砂の値段」だけで考えず、その後の手間や追加コスト、リスクを考慮して、ご自身の目的に合うのであれば、安全な砂を選ぶのが最良の選択です。
お金を地面にぶちまけている感、ハンパナイですけど(^^;)
それさえ気にしなければ至高です。ここが難しいところです。
無調整の珪砂5号を使ったセントオーガスチングラスエリアは、今年5月と秋(現在)、謎の症状が出ています。芝が死滅するほどではないので、薬剤を試しながら経過観察中です。
199円・299円のセメント用砂で床土をつくった姫高麗芝エリアは、地表にカビが生えやすく芝の密度がまばらです。日照の問題もありますので一概に「砂のせい」とは断定できませんが、コケ・カビ・雑草の影響が強く出ている事実があります。
バロネス目土・床土・焼き砂だけで育っているメインの高麗芝は、病害の発生パターンが明確にわかり、今年はついに病害発生ゼロ(完全予防)を成し遂げました。
第一の要素「芝をどんな風に育てたいか?」、第二の要素は「その珪砂とはどういう珪砂か?」でご質問に対する適切な答えが決まる・・・というお話。
できるだけ詳しく回答させていただきました。ご参考まで。
今回は「砂について」の質問だったので「砂の選択肢」のお話をしましたが、そもそも「目砂」を使うか「目土」を使うか?という入り口の大きな選択肢があります。
包容力が高く、手間いらずの安心の芝に育てたいなら目土。家庭の鑑賞用の芝に向いています。
土壌の水はけ改良を優先したり、緻密な肥料・資材管理ができるなら目砂。「遊ぶ」「使う」が中心の芝生の場合はたくさん踏んでも土が締まりにくい、砂中心の土壌のほうが踏圧トラブルは少ないです。
キャパが大きく様々な面で包容力がある目土、水はけが良く踏圧で締まらず保肥力が弱い目砂。どちらが適しているかは、そのお庭の事情とオーナーの使い方、管理の頻度等によります。春になって目土入れのシーズンがきましたら、いずれこのお話も。