ついに発売された、トヨタ自動車の開発・登録品種「佳乃葉」、通称 TM-Crossについてお話を伺うことができましたので、現在わかっている情報をお知らせします。

TM9と何が違うの?
ベースとなる品種が異なります。TM9は高麗芝の選抜種です。一方、今回開発されたTM-Crossは改良ノシバです。
TM9(高麗芝)
関東以西の気候の場合、お庭の観賞用など「美しさ・キメ細かさ」を求めるならノシバではなく高麗芝がオススメ。その中でもTM9は、伸びにくくキメ込まない個体のクローンで形成された選抜種です。
刈込みを頻繁に行い肥料をしっかり与えれば、至高高麗芝の美しさに仕上げることもできます。省管理方針で臨んだ場合も、荒れた高麗芝ほど乱れず、全体がおおむね整った景観を維持できるのが特長です。
TM-Cross(ノシバ)
東北地方の家庭園芸芝生や、本州のゴルフ場のラフでおなじみのノシバは、高麗芝より葉幅が太く、至近距離での見た目は高麗芝のキメ細かさには及びませんが、生存・繁殖力が高麗芝より優れています。法面緑化など、公共工事でもよくつかわれる芝です。
今回、新規開発され品種登録されたTM-Crossは、従来のいずれのノシバに比べても、きわめて密度が濃く、かつ、芝刈り頻度が極端に少なくても従来のノシバのようには荒れにくく、ある程度の高さで概ね均質に伸びが止まるようです。
茎葉密度は、一般ノシバの3倍というのだから驚きです。

もっとも特筆すべき性質は、ライゾーム増殖型で従来のノシバにくらべて極めて高密度に繁殖する性質を持つこと。これにより、雑草が生える余地を制限し、省管理においても雑草が生えにくくなる効果が期待できるようです。
至近距離での鑑賞や、キメ細かさを期待するならTM9、
景観を省力管理で維持するならTM-Crossといったところです。
ノシバの改良品種でお馴染み、「ひめの」との違い(※個人的見解)
今回の発表を知り、真っ先に思ったのは、ノシバの改良品種「ひめの」。
こちらは、同じく景観維持のほか、地域のサッカーグラウンドなどでも使われることがあります。ひめのの特長もまた、密度が濃く、色が濃く、あまり伸びすぎない・・・。こちらは、サッカー広場など、人が使う「芝生」で使われることが多いような印象があります。
今回、トヨタ自動車が開発したTM-Crossは、「雑草対策」や「人があまり使わない景観芝生」の省力管理が主たる開発目的のようです。
あまりにも密度が濃くなるので、芝の上でスポーツをするような使い方には向かない。

TM-Crossの登場により、高密度の美しい景観が様々な場所に生まれることでしょう。
松井さんはじめ開発・登録・販売に携わったトヨタ自動車のみなさん、「景観を美しくし、雑草を抑制する」新品種が日本から誕生したことを心よりお慶び申し上げます。
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