切れ味の悪い刃のリール式芝刈り機で刈った「切り口」
断面が乱れ、傷口面積が広くなってしまっています。芝の生体ダメージが大きく外敵も侵入しやすい状態。芝刈り後、長時間に渡りストレスにさらされます。傷口の細胞はうまく修復できず、やがて壊死していきます。
これは芝刈り機の刃が「切断」ではなく「挟み込み」を起こして引きぎちってしまうことから起こります。

鋭い刃のリール式芝刈り機で刈りこんだあとの状態
切断面が一直線で余分な傷がナイのがわかります。芝刈りによって損傷を受けるのは切り口にある細胞だけ。最小限のストレスで切断されています。また、同一面に傷口があるので、生体の傷い反応(外敵からの侵入を防ごうとするチカラ)による防御力も強く発揮されます。前述の切れない芝刈り機にくらべ、切断による細胞ダメージが圧倒的に少ないのです。

芝生の健康や見た目にも差がでる
切れ味の悪い芝刈り機で管理した芝生
切れ味が悪い刃で、何度も刈込を続けると、芝は傷口の修復や外敵の侵入反応に体力を奪われ続け、日照条件が良くても、弱弱しく疎らな芝生ができあがりがちです。

切れ味の良い刃で管理した芝生
シーズン中、良く切れる刃の芝刈り機で頻度多く刈り込むと、傷口のダメージが少ないので、芝の体力は修復や芽数の増加に振り向けられます。我が家のように日照条件が悪い庭では、芝の生体余力が限られているので芝刈り機の「切れ味」は必須です。

リール式芝刈り機は、精工な刃物
物議を醸すかもしれないけど、僕は昔から家庭園芸においては刃物メーカー以外の「あまりにも安いリール式芝刈り機」は推奨していません。切れ味が長持ちをする「刃」をつくるためには、それなりのコスト(良質な鋼材と刃の造り込み工数)がかかります。
切れ味が良くないと作業が楽しくないし、芝生の出来栄えも概ね想像できます。
プロが最もコダワルのに、アマチュアは値段の安さで選んでしまう
庭に芝生があって「仕方なく」芝刈り機を買う人が多いからなんでしょうね。市場は消費者の価値観がつくる。それをキャッチする製品市場もある。
しかし、元々芝生に興味ない人が「切れ味が悪い芝刈り機」を使ってしまうと、ますます「芝生は面倒」って思うようになってしまいます。残念なことです。
芝刈り機は、生き物を切断するための刃物です
芝の生体への負荷も考えてあげる愛情があるとイイですね。芝生を「モノ」だと考える人と、「生き物」だとわかっている人との違いです。

芝生に拘る人は、イイ道具を使ってもらいたい。そして、芝生がわからない初心者の人こそ、最初に「良い芝刈り機」とめぐり合ってもらいたい。良く切れる芝刈り機を使い本当の楽しさを知ってくれたらイイなぁ・・・と思います。
芝刈り機の選び方については、何年か前にも特集しているので、こちらをご覧ください。
芝刈り機について、徹底的に詳しく知りたい人は、月刊 芝生の雑学4月号をご覧ください
芝生に使う刃物を徹底解説しています。これを全部理解したら、芝生の刃物については「マニア」級です。
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では、また!
プラチナグリーンアドバイザー 2級芝草管理技術者 土づくりマスター 緑の安全管理士
芝生の雑学 東京40まいる