芝生の雑学 東京40まいる

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試合前の芝生 【Jリーグ】IAIスタジアム日本平のピッチで究極の芝生管理の神髄を学ぶ【前編】

一年で最もピッチのターフクオリティが高い季節

Jリーグベストピッチ賞最多受賞(計9回)の佐野忍さん率いる「グリーンマスターズ清水」が手掛けた、IAIスタジアム日本平の今日の芝生。
ティフトンが目覚め冬芝と夏芝が入れ替わる直前のこの時期(4月〜5月)が、1年で最もライグラスのコンディションが良いそうです。
学会関連の別件の打ち合わせの時に、佐野さんから「土曜、Jリーグ試合だからピッチ見においでよ」とお誘いいただき、反射即決で清水にやってまいりました(^^)



2級研修の時、埼玉スタジアム2002ワールドカップサッカー時のヘッドグラウンズマン 輪嶋正隆さんのスポーツターフ講義で「Jリーグのスタジアムのピッチの刈り高は、概ね2cmを中心に前後。しかし中には1cmで管理してるピッチもある。」
と、教わりましたが、まさにこの日本平こそ「1cm管理のピッチ」なのです。
刈り込み高は、その地でのすべてのバランスの結果最適値が決まる。最適値はその地で芝が最大密度になる効率点。
ここは1cmでバランスする管理をしているわけです。なんとも興味深いですねーーーマニアとしてワクワクしますよ。
日照はその一つの重要な要素ではあるけど、それだけじゃないと思いました。根の管理(根が空気を吸い、伸びるスペースを与える環境)が常にある(^^)

グリーンマスターズ清水にクルマを置かせていただき、佐野さんと一緒にピッチ入り(^^)




今日は清水エスパルスvsヴェルディーの試合日。

「試合前」と「試合後」じっくり観察・触れさせていただきました。
IAIスタジアム日本平の特徴は、ピッチが柔らかいこと。

Jリーグリバウンドの規定値が0.65〜0.85とあるのに、日本平は最低値を下回る柔らかさ。
それだけ、選手の足に負担をかけないピッチということです。(ピッチが柔らかければ、選手生命を長くできると、2級研修では習いました。)
「土が柔らかい」といっても、フニャフニャ感はまったくなく、むしろピン!と張り詰めたような柔らかさなんです。
ちょうど、体操競技の床のようなピン!とした柔らかさ。

「このテンションは何から生まれてるんですか?」

佐野さんに聞いたら「ライゾーム層が厚い」んだそうです。
なるほど、地下匍匐根が厚く張り巡らされているから、柔らかいのにしっかりテンションがかかった感じがする。納得です。

そしてこの柔らかい床土、15cm間隔で特注の極太ロングタインでコア穴を開け、目砂を入れずにそのまま開孔しているんだそうです。

コア穴にはたくさんの根が詰まってます
IAIスタジアム日本平の芝生 今日の芝生観察4月8日 #芝生 - YouTube

このタイン、外径2cmくらい、長さは15cm以上あります。
普通は、こんな太い穴を開けたままにしておいたら、土が崩れ表面が凸凹になりそうなモンですが、根がしっかりと支えているので、穴を開けてもだらしなく崩れるようなコトはないんだそうです。根がしっかり砂に絡んでいるわけですね。
シビレルポイントですねー(^^)僕は鳥肌が立ちましたよ。

芝生って究極はこういう世界になっていくんだな。と、日本最高峰のプロが造る究極のターフに触れ、体感し、芝への探究心にますます火がつくのでありました(^^)

このようにして、試合前の究極の完成度のJリーグターフをじっくり体感させていただき、試合を観戦ののち、今度は試合後のターフにじっくり触れさせていただきました。

このお話の続きは、次のブログ【後編】で。

試合後の芝生 【Jリーグ】IAIスタジアム日本平で究極の芝生管理の神髄を学ぶ【後編】 - 芝生の雑学 東京40まいる
試合後のピッチから感じ取った気づきの宝庫と今回の学びの結論。ぜひ、続きをご覧下さい(^^)

ところで、清水エスパルス、今日の試合勝ちましたよ!!

これはスゴイことのようです(^^)
たまたまやって来たその日の試合が、念願の勝ち!

何とも幸先が良いではありませんか(^^)

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