芝生の雑学 東京40まいる

芝生の手入れに役立つ雑学専門ブログ

芝生に肥料を撒くなら「今でしょ!」その理由は・・・

芝の葉が出そろうと生理的循環が活発に回転し、肥料をよく食べるようになります

我が家の芝生が、肥料を食べるようになりました。その証拠がこの画像。左が施肥区。右が非施肥区。左側はバロネス芝生の肥料を「3月に40g/㎡」「4月に20g/㎡」を撒いた区画。右側は、今年一度も肥料を撒いていません。日照条件がまったく同じ場所です。我が家の芝生(千葉県北部沿岸の高麗芝)の現在の様子。

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本日4月14日 朝撮影

使った肥料はバロネス芝生の肥料。緩効性なので撒いた直後から緩やかに長く効くタイプです。液肥のように瞬発短命ではなく、有機肥料みたいに発効が遅れない、

誰にでも扱いやすい芝生専用チューニング肥料。この検証にもってこいです。

ほんの数日前まで、まったく差異はなかったんです

こちらが日曜日(4/10)に撮った画像。この時点では、まったく差異はありませんでした。

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4月10日(日)撮影。この時点では差がなかった

葉・茎・根の生理的サイクルが通常どおり回転し始めた証

春の芝は、蓄積した養分・エネルギーで萌芽し、葉が充分に生え揃うまでは蓄積を消費しながら育ちます。
やがて葉が充分に機能するようになると、葉を形成するために必要なエネルギーよりも多くのエネルギー源(糖)を光合成で生産できるようになって、根まで行き渡ります。

この段階では葉の気孔からの蒸散が充分に機能するようになり、芝体内に必要な負圧が生じ、根がぐんぐん水分・養分を吸い上げ全身の循環が機能しだします。

この事は、月刊『家庭の芝生』4月号 肥料のセッションで解説しました。


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根の先からは、糖やアミノ酸を分泌し、硝酸菌などのいわゆる菌根菌の活動を活性化させ、窒素を「おいしい状態」に変換し、効率よく窒素を吸収するようになります。

そして、この生理循環は、葉の生長を加速させ、ますます大きなエネルギー源を生み出し、芝の勢力が増して「芝生(ターフ)」を形成していきます。

その始まりが「今」です。

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手前が施肥区 4/14撮影

今こそ!肥料散布を始める時 では、肥料はどんな日に撒くの?

ゴルフ場など、広大な敷地での芝生管理の場合、粒状の芝生用肥料を撒くときは、「雨が降る直前」を狙うのが一般的だそうです。

その理由は、コスト(労力含む)

広大な敷地管理では、散水も大きな労力を要し管理コストもかさみます。

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広大な敷地管理では、自然のチカラ(雨など)を活かすことで効率化

これが「肥料は雨の日の前に撒く」という、家庭の芝生管理での誤解を生んでいるようです。「プロがやっているから」と真似すると思わぬ落とし穴。

プロが「何のために」やっているのか?「どうしてそうするのか?」まで追いかけないと、真実は見えてこないのデアリマス(^^;) 

だって、僕たちが向き合っているのは家庭の芝生ですもの。

家庭の芝生の肥料撒きは、芝が乾いている曇りの日(この季節なら晴れも可)

雨の量、降水の強さはコントロールができません。粒状の肥料を撒いた直後に強い雨が降ってしまうと、粒自体が移動してしまって偏りが生じたり、そもそも、リンなど土壌の影響を受けながらほんの僅かだけが有効体で植物に届く成分などは簡単に流亡してしまいます。

家庭のアドバンテージは、何と言っても「狭いがゆえ完全管理が可能」な点

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家庭の芝生は狭いがゆえ、ゴルフ場より妥協なき管理ができる!

芝が乾いている期間に施肥をするメリット

★ 粒状の芝生用肥料を、ちゃんと根元の土まで落とし込むことが可能です。

★ 施肥直後から数日間、散水コントロールをすることで肥料の定着を管理できます。

固形の肥料は「土にちゃんと定着させてこそ」含まれている成分が本来の期待効果を発揮するチャンスに恵まれます。

完全に定着するまでは、数日~1週間くらいはかかります。

この期間を毎日、適切に散水管理することで、粒状肥料を均質に、穏やかに土壌になじませることができます。これが「家庭の芝生管理」の大きなアドバンテージ。

※ 施肥直後の散水はいずれにしても必要ですよ

だからといって・・・いつものコトですが・・・

「雨の前に肥料を撒いちゃいけない」なんて言っていませんからね!(^^;)

何を重視するかは「人それぞれ」。

雨の前に肥料を撒くと「手間がかからない」のは事実。ムラが出たら、また肥料を撒けばイイと考える人もいるでしょう。 ほんと、「人それぞれ」なんです。

僕が情報発信しているのは「一つの方法とその根拠」に過ぎませんので、目を▼にしないでくださいね。(誰も否定してないよー)

僕は、雨の前には固形肥料を撒きません。ただ、それだけです。

芝生に起こる次のドラマは、葉がぐんぐん伸びるようになる

葉が成熟して、効率よく光合成できるようになると、根の活動が活性化し、葉の生産に必要な原料をどんどん吸収して活用できるようになります。

有り余る光合成によるエネルギーと根から運ばれた養分を使って、葉の生産スピードがあがります。あと2週間もすれば、いよいよ芝刈りシーズンの始まりです。

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GWごろから芝刈り機の出番

今から梅雨入り前までの芝生の雑学は、こちらの動画で解説しています

お庭の芝生の管理において、とても重要な季節です。まだご覧になっていない方は、ぜひ、ご覧いただけたら幸いです。

★ 植物としての芝の生理的メカニズムのこと

★ 肥料のこと

★ 芝の病気のこと

★ 殺菌剤のこと

★ 芝刈りのこと

そのほか、たくさんの「家庭の芝生の雑学」を盛り込んでいます。これを知ると、お庭の芝生づくりが、一層楽しくなりますよ!


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なお、このブログの画像の我が家の芝に「線」が入っているのは、この作業をやったからです。芝が若返りますよ。(豆知識つき動画)


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この動画で使った道具と資材はこれがすべてです

次の動画か、YouTubeライブ、ブログでお会いしましょう。

では、また!