芝生の雑学 東京40まいる

芝生の手入れに役立つ雑学専門ブログ

家庭の芝生愛好家が「学術の世界」を覗く希少な機会 ~日本芝草学会 2023年度春季大会~

芝生に関する学術研究の最新事情を知る希少な機会

日本芝草学会の2023年度春季大会が、2023年6月10日(土)11日(日)にオンラインで開催されます。社会環境も変わりつつありますので、一般の人が気軽にオンラインで参加できる機会は、今年あたりが最後になるかもしれません。(※根拠はない私見です。)

参加のハードルが低い「今」のうちに、勉強熱心な芝生愛好家の人には、ぜひ、芝生専門の学術団体が何をやっているのか、学会の中身を体験してもらいたいな・・・と思います。

ここでしか入手できない情報がある ~最新事情の口頭発表~

毎年、春季大会では「口頭発表」という有識者の発表セッションがあります。芝生マニアにとってはネームを聞いただけで感激する、錚々たる学術研究者の方々、芝生界の有名企業レジェンドや、最前線でご活躍の開発者の方々が、一般非公開情報も含め、現在の研究(経過)の最新事情をご説明されます。

そもそも、ネームすらわからなかった、かつての僕にとっては、業界で「どんな方が、どういう研究をされているのか」を知ることで、少し先の未来が読めるようになりました。

おそらく、セッションによっては「期待」と違ったり、専門的すぎてわからないこともあるかもしれません。

でも、この2日間のプログラムの中には、必ず、求めていた情報があると思います。

素人だから・・・という理由は捨てましょう

「芝生のこと、もっと知りたい!」という気持ちさえあれば、ココから拓ける未来は無限に広がります。純粋に、「芝草」「芝生」の最新事情をどれだけ取り込めるか。

それを理解すれば、家庭園芸芝生に活かせる気づきの宝庫です。

僕が、素人として初めて日本芝草学会の国際芝草セミナーにオンライン出席して、そこから得た学びを盛り込んで制作した動画がこれです。


www.youtube.com

書籍で学んで解読して得る知識より、実際の研究者から直接、学べる。

この「一次情報の宝庫」が日本芝草学会の大会です。

tokyo40mile.hatenablog.com

目線は「自分の庭の芝生」から「社会と人間の芝生へ」

素人が庭で芝生をつくり、それをYouTubeで配信する。4年前はタダそれだけのスタートでした。日本芝草学会との出会いは、「芝生との関わり」の視野を、大きく広げてくれました。

<実話:芝生の雑学 東京40まいるの実例(経歴)>

2019年4月  芝生素人チャンネルとして 東京40まいる開設

2020年10月  日本芝草学会 入会(正会員)

                          「素人だけど入会していいのか?」とビクビクしながら。

2021年3月  国際芝草セミナー(薬剤抵抗性)オンライン出席

       その学びで作った動画 https://youtu.be/sGnFQgj8pgE

2021年6月  春季大会の講演で、イクシバ!プロジェクトを知る

2021年10月  イクシバ!プロジェクト参加

       その時の動画がコレ https://youtu.be/

  同月末   イクシバ!黎明橋公園で偶然に佐野忍さんに会う

        → これがプロ資格を目指すきっかけ

2021年11月 秋季大会参加

2022年3月 日本土壌協会 土づくりアドバイザー資格 取得

2022年4月 日本芝草研究開発機構 芝草管理技術者3級資格 取得

2022年6月 日本芝草学会 広報委員就任

       春季大会参加

2022年9月 日本家庭園芸普及協会 グリーンアドバイザー資格 取得

2022年10月 芝草学会 現地見学会(岩手)に実参加

2022年11月 秋季大会ホームページ委員として参加

   同月 レポート審査で、芝草管理技術者2級 受験資格 取得

2023年4月 日本芝草研究開発機構 芝草管理技術者2級資格 取得

   同月 芝草学会 校庭芝生部会 杉並区見学会に実参加

                          <現在に至る>

今では、日々、学会の先生方、諸先輩方、業界の方々と交流しながら、日本の芝生文化の発展に、どう寄与していくか?なんてことを考えて過ごしています。

生活のほんの僅かな隙間「趣味の自由時間」でやっていることですので、日々、学びと情報の宝庫。引き換えにYouTubeやっている時間がほとんどとれなくなっちゃったのが、嬉しい悩みw これから10年、20年の未来を造っている実感があるんです。

こんな体験、学会に入って、専門分野を真剣に学ばなければ、決して辿りつくことはなかったと思います。貴いことです。


www.youtube.com

すべての起点は、日本芝草学会に一歩踏み入る・・・という行動から

興味がある「芝生分野」の、まだ見ぬ世界を知ってみる・・・それだけで素晴らしいじゃないですか。

ぜひ、オンライン開催の「今」のうちに、日本芝草学会に触れてみてください。

jsts.smoosy.atlas.jp

ブログランキングに参加しています。清きワンクリックを!

 

 

 

芝生に興味がある方は、YouTube「芝生の雑学 東京40まいる」

近いうちに、チャンネル登録者さん向けに、芝生の生育 「夏季編」を公開予定です。

芝の植物生理について、わかりやすく解説します。チャンネル登録をお願いします。

www.youtube.com

次の動画か、ブログでお会いしましょう。

では、また!

【続報】オートモア日本語版操作アプリはココが凄い! automower connect

昨日リリースされたハスクバーナ オートモア用の操作アプリ、automower connect の日本語版の続報です。

詳細設定がマニュアル無しでも理解・設定できる!

オートモアは、様々なお庭・使用条件に対応するために、実に多彩な設定が可能です。
しかし、あまりにも設定パラメータが多すぎて「標準設定」のまま使っている人も多いのではないでしょうか?
日本語版アプリでは、単なる日本語化(通訳)に止まらず、日本のユーザー向けに直感的に設定を選択できるように、わかりやすい解説が加わっています。

これならスマホ画面操作だけでも、とりあえず意味がわかり設定できますね。

しかし、深い理解のためには、余裕があるときにちゃんとマニュアルは読んだほーがイイですよ。

稼働状況のアナリティクスや、トラブル通知もわかりやすくなりました。

アナリティクスはこんな感じに

トラブル通知も日本語だからわかりやすい!

単に日本語に変換したダケじゃない、automower connectの最新版

iOS版の方は今すぐ!アップデートがおすすめ。
オートモアがグッと使いこなしやすくなります。

Android版もまもなくリリース

今週か?来週か?という時間軸のようです。
しばしお待ちください!
アップデート前のアプリアイコン

日本語化した最新版アイコン

芝生に関する最新情報は、YouTube 芝生の雑学 東京40まいる

チャンネル登録してね!
https://youtube.com/@turfgrass芝生の雑学 東京40まいる - YouTube

オートモアのスマホアプリが「日本語対応」になりました

ハスクバーナのロボット芝刈り機、オートモアユーザーのみなさんに朗報です。
iOS版のautomower connect アプリは、これまで英語表示でしたが、この度、日本語対応になりました。

すでにアップデートが入手できる状態なので、ご利用の方は、ぜひ、やってみてください。

アップデートすると、アイコンがこのように、カッコイイブルー調に変わります。

Androidについても近日中にリリースされる見込みだそうです。ユーザーの方はお楽しみに。
こっちが従来の日本語非対応版のアイコンです。

このニュースは最新・最速です。
オートモアユーザーの人に教えてあげてくださいね。

【散水用具選び】ガルデナの散水道具が、母の日・父の日のプレゼントに最適な理由

母の日、父の日のプレゼントに最適な高級散水道具

芝草管理技術者のグリーンアドバイザー 東京40まいるです。

散水は水を撒く手段であって、どんな道具を使おうが、目的物にちゃんと必要な水量が撒ければいい。高い道具だからといってそれで芝や庭木が美しくなるわけではない

この考えは、植物側の生育だけについて云えば正しいです。水を撒くために、高額な高級品の散水具を自分で買うのは、少々、抵抗があり、多くの人は「手ごろな道具」に満足しているのではないでしょうか?(僕もそうでした。)

使っている「その時」を楽しむのが、家庭園芸の醍醐味

「水を撒くの、めんどくさいなー」っていう気持ちは、散水が私たちにとって「作業」だから。もし「散水自体が楽しくてタマラナイ!」としたら・・・

毎日、朝が来るのを楽しみに、ワクワクしながら気持ちよく散水する(^^)

贅沢な道具って、そうやって「人の心」を気持ちよく、時間をもっと豊かにしてくれるんです。

庭木の剪定で使う「大久保鋏」の独特な形状は何のため?

園芸好きな方なら、この鋏をよくご存知だと思います。

この独特な、持ち手の形状は、「パチン!」という音を良くするために改良されたものなんだそうです。刃の切れ味とは関係ないんですが、その「パチン!」という爽快な音が、剪定をする人の心を刺激して「枝を切りたい!」っていうワクワク感、気持ちよさを醸成する。

園芸の醍醐味は、道具を使っている「その時」を愉しむこと也。

ガルデナの散水具は、水の姿が美しく、操るのがとても楽しい

とにかく、この動画の冒頭部分だけでもご覧いただければ、この意味がわかります。


www.youtube.com

こんなトコロにこだわるか!っていうくらい、水の出口の仕上げが繊細で、放たれた瞬間から美しい姿で水が飛んでいきます。

強弱のレバーは、人間の指の筋肉に連動してリニアに反応します。トリガーのON,OFFレバーは、タイムラグが殆どなく、小気味よくスパっ!っと水を出したり止めたりします。

これこそが、贅沢!

このホースは、本国(ドイツ)では20年保証がついています。(日本では適用されません。リール本体と併せ、たしか4年か5年保証)

たかが散水。なかなか贅沢しないからこそ、プレゼントに最適

ガルデナ散水道具を使っても、庭の植物たちが特別に美しくなるワケではありません。

ワクワクしながら、道具を使う「人の心」が、植物たちを喜ばせます。

お世話になってる人、感謝している人にこそ、この「至福の時間」をプレゼントしてはいかがでしょうか?

ガルデナ散水道具は長期保証の商品だから、購入は信頼できるお店で(^^)

とても長く付き合う道具だから、買ったあとが大切。困ったときにお世話してくれる「顔の見える」お付き合いができるお店での購入をオススメします。

プレゼントならなおさら。

「困ったときは、ココに問い合わせてね!」というのもやさしさですよね。

僕がイチオシの販売店は、ガルデナを取り扱うハスクバーナの正規サービスディーラ、超一流の斎藤商会です。

実店舗には、ガルデナ製品がたくさん展示されていて、手にとって現物に触れることができます。

社長の齋藤さんは、ご自身がガルデナの愛用者。家庭園芸でのガルデナ製品の実用に精通した方なので、製品たちへの愛がすごいです!

メーカーとの信頼も厚く、万一のときの連携もバッチリ!

斎藤商会のオンラインショップがとても便利!

いわゆる「ネットショップ」とは違って、実店舗が運営するオンラインストアです。

人と人のつながりを大切にする、温もりのあるオンラインショップ

GARDENA散水具と共に「安心」もプレゼントしてはいかがでしょう?

saitoagri.thebase.in

個別製品の解説をご覧いただければ、その情熱がわかります

saitoagri.thebase.in

saitoagri.thebase.in

YouTube「芝生の雑学 東京40まいるの動画、ぜひ見てくださいね!


www.youtube.com

カテゴリー別ブログランキングへの投票(クリック!)をお願いします。

次の動画か、ブログでお会いしましょう。

では、また!

Jリーグ清水エスパルスのティフトン芝から3万5千個のポット苗をつくるイベント

グラウンド芝生化を自治体・企業・地域みんなで推進する街

サッカースポーツ少年団発祥の地、静岡市清水区Jリーグ清水エスパルスのホームタウン。この街は芝生愛好家の聖地。

Jリーグベストピッチ賞を日本最多の9回も受賞したグリーンマスターズ清水が管理しているIAIスタジアム日本平、通称アイスタがあります。

この街で、しずおか校庭芝生化応援団主催の、芝生ポット苗づくりイベントがあると伺ったので、参加して撮影してきました。

清水エスパルスファンの皆さんは、まずは、IAIスタジアム日本平のピッチクオリティーのブログをご覧ください(スゴイです!)

tokyo40mile.hatenablog.com

tokyo40mile.hatenablog.com

芝生愛好家なら興奮するに違いない!清水エスパルスのグラウンドのコア

エアレーション(コアリング)で抜いたコアです。微細な根がしっかりと砂の粒一つ一つを抱き込んでいるので、崩れません。

これが、本当のプロがつくる芝生のクオリティーです

この模様は、芝生愛好家の皆さんに、ぜひ!動画でご覧いただきたい。このコアの質感、伝わるといいなぁ・・・


www.youtube.com

グラウンド芝生化の成功は、地域の理解と参画があってこそ成立

清水の街をクルマで走っていて思ったのは、小学校とか幼稚園の校庭・園庭が とにかく芝生になってるところが多い。エスパルスへの思いを中心に、スポーツ・レクリエーションを街全体が推進しているのを感じます。

この、芝生ポット苗づくりイベントは、その「地域の心づくり」の象徴。

www.s-pulse.co.jp

sccca.net

芝は生き物。植えたあと、愛情を注いで地域みんなで大切に育てていくことがとても大切です。

自治体・企業・地域のみんなが参画して、地域の芝生化を推進していく。新しい芝生グラウンドをつくる、その芝生の赤ちゃんづくりにみんなで参加できるなんて素晴らしいことです。この手作りの小さなポット苗から、なんと6つの芝生地が生まれるそうです。

この地域コミュニティーづくりが、校庭芝生化、地域グラウンド芝生化成功の秘訣だと思います。

素晴らしいお取組みに感動しました。


www.youtube.com

次の動画か、ブログでお会いしましょう。

では、また!

ブログランキング、投票クリック!してね(^^)

芝生の健康管理に役立つ肥料

肥料を上手に操るには、土壌化学を中心とする専門知識と経験が必要です

肥料は土の化学性のコントロールです。上手に使えば芝を健やかに生育することができますし、ドラッグ的に過剰投与で目先の芝を美しく魅せることと引き換えに大切な何かを失うこともあります。誤れば衰退または枯らし、土壌への影響はその後何年にも及ぶことがあります。

家庭園芸用の肥料は、これらの専門知識を持たない人でも、用法・用量を守れば概ねストライクゾーンにおさまるように設計されています。

今回は、家庭園芸芝生での、安全・保守的な肥料の使い方の一例をご紹介します。肥料の効き方には、速効性・緩効性・遅効性の3タイプがあります。これらの性質を理解して、上手に活用するのがコツです。

肥料 芝生の手入れ4月25日 #芝生 - YouTube

我が家の芝生で使用している肥料の種類と使い方の実例をご紹介します。

メイン肥料:イデコンポガーデンEV(遅効性)人間の食事にたとえると「自然食」

芝を安全に穏やかに育てたい人は、この肥料だけで充分です。パッケージに書いてある用法・用量の範囲内で散布すれば、2カ月くらいかけてゆーっくり土の中で変化し、芝が最も美味しく食べられる栄養に変わっていきます。

バチルス菌資材として、サッチの分解能力が有名ですが、それ以上に「安全な肥料として」の有用性が高いです。撒いた直後の変化は殆どありませんが、気づいてみれば後から「なんか調子いいな」と感じる、そんな肥料です。

けい糞を中心に有機成分主体でありながら、肥効はシーズン内で概ね消えてくれますので、用法を守っている限り、土壌への悪影響も殆ど生じません。

毎年、ルーティンで安定した芝生管理をしたい人や、難しい心配をしたくない人向け。

使用実績6年目。僕が最もオススメする肥料です。

補助肥料:バロネス芝生の肥料(緩効性) 人間の食事にたとえると「栄補助食品」

先に紹介したイデコンポガーデンEVは、撒いてから2カ月くらいは、あまり肥料として芝の栄養になってくれません。例えば、春。この季節に撒いたイデコンポガーデンEVが、肥料として本格的に芝の栄養になってくれるのは、6月頃です。

芝は今からが成熟期。養分を積極活用して体幹を強く整える季節に入っていきます。

「今」芝に肥料をたべさせたいとき、役に立つのが、芝生専用に設計された化学肥料、バロネス芝生の肥料です。

撒いた直後から穏やかな肥効が立ち上がり、概ね2週間~3週間くらいの期間、安定して芝に養分を供給してくれます。

我が家では、イデコンポガーデンEVをメインに年間計画を組み立て、その肥効が出るまでの間をつなぐために、バロネス芝生の肥料を標準用量の半分くらいの少量散布で、年に数回入れます。

「調整用」として役立つ緩効性肥料です。もちろん、この肥料をメイン肥料として活用している人も大勢いると思います。標準的な芝生専用化学肥料です。

年に一度だけ微量使う「超緩効性」マグァンプK 人間でいうと予防接種?

リンとカリウム、そしてこれらの吸収を助けるマグネシウムを含む、超緩効性肥料です。年に1度、梅雨入り前のコアリング時に、1穴1粒(中粒)を目安にごく微量使います。リンは土壌内で金属と結合して、取り出せなくなってしまうので投入しずぎは絶対にいけません。芝生の場合「ごく僅か」かつ「土の中」に入れることがポイント。

カリウムは、過酷な環境での芝の耐久性を向上させます。リンは、あらたな根をつくるのを促進します。だから、真夏の準備として行う梅雨入り前のコアリング時が、とても有効なのです。

なお、地表散布では効果は殆どありません。リンが地表で流亡しやすい上、土壌に浸透する過程で地表浅いところの鉄分と結合して、肝心な根の深いところには殆ど届かないからです。
リンは、地中に埋める(かつ、植物が吸収できる量だけに調整して余らせない)のが鉄則です。

こだわる人、良く理解してる人の裏技的存在。

予防接種と同じで「使う?」「使わない?」は、人と土壌の状態(化学性)次第。土壌診断が役立ちます。

速効性なら、液肥 人間にたとえると点滴です

芝生用の液体肥料として有名なのが、メネデール芝肥料。

速効性肥料は、あらかじめ、芝が吸収できる状態になっている肥料分です。撒いてすぐ、その鋭い効果を実感できるので、ファンは多いはず。

基礎的な土壌環境を整えている場合、年に数回、ここぞ!という時に使うのは効果的です。つまり繊細な調整に役立つタイプの肥料です。肥効はとても短く「すぐ効いて、すぐ効かなくなる肥料」です。数日単位のコントロールに向いています。

お客様が来る2日前に散布すると、それはそれは最高の表情を見せてくれると思います。

しかしこの肥料だけに頼って育てると、芝と土のコミュニケーション環境が変化したり、芝自体が軟弱化する傾向が生じる場合もあるので、使用には「バランス」が大切です。

人間も、健康な人にご飯たべさせずに、点滴だけでイノチをつないだら、弱い人になっちゃいますよね。それと同じだと僕は思います。

真夏など固形肥料が使いにくい季節に、希釈倍率高めで散布するなど、他の肥料とは違った使い方ができるので、手元のラインナップには加えておくことをオススメします。

芝が本来食べるべき、「自然食」+「栄養補助食品」。これに、「予防接種」と「点滴」で、パフォーマンスコントロール

芝は、窒素肥料を投入すればするほど、見た目は、ぐんぐん育ちますが、芝の体内での必須元素の移動速度には、差異があります。

あまりにも、葉を早く育て過ぎると、カルシウムなど移動速度がついていけず、細胞壁が弱くなったりして、「軟弱な芝」になってしまいます。

また、夏場など最盛期は、芝の体全体に余力がなく全開で成長していますので、こういう時に窒素肥料を過剰投与すると、葉はぐんぐん伸びていかにも元気そうに見えますが、根はボロボロ・・・ 翌年以降、芝が貧弱なスタートになったりします。

これらの性質を理解して、上手にコントロールしていくのが、芝生管理の醍醐味。安全な肥料を中心に、上手に肥料の組み立てを考えていきましょう。

近いうち、YouTubeで5月~8月までの「芝生の雑学動画 夏季編」を制作する予定です。

お楽しみに!

YouTube「芝生の雑学 東京40まいる」では、毎日、芝生の雑学動画をYouTubeショートで公開しています。

芝生の生態や手入れに興味がある方は、ぜひ、チャンネル登録してくださいね!


www.youtube.com

 

次の動画か、ブログでお会いしましょう。

ランキングクリックしてね!

では、また!

試合後の芝生 【Jリーグ】IAIスタジアム日本平で究極の芝生管理の神髄を学ぶ【後編】

清水エスパルスvsヴェルディ戦終了直後のピッチをじっくり見学させていただきました。試合後も西陽を浴びて素晴らしく美しい。近づいて見ないと試合前と何も変わっていないように見えます。おそらく観客の皆さんからはそう見えたことでしょう。
実際のところ今日の役割(試合で選手達のパフォーマンスを発揮してもらう)を果たしたピッチは驚きの連続。

これ、選手のスパイクの跡。

選手の蹴り出すチカラをターフがしっかりと受け止めて、スパイクが利いた証だそうです。

試合後、至るところにこのスパイク跡がありました。

傷んだところは、試合終了直後に目砂入れ

ライン際や、ゴール付近など激しいプレーがあった所は、スパイクで芝が飛んだりしています。


こういう所は、傷口が乾燥しないように試合後すぐに目砂を入れるんだそうです。





こうすることで芝が自分のチカラで再生してすぐに埋めてくれます。目砂は人間で云う絆創膏のようなもの。
いつも試合がおわった直後にこうして芝の傷口を護って治癒力を引き出しているのです。

魔法のピッチ

ゴール裏のウォーミングアップエリアは傷みが激しい。
狭い場所を選手が何度もハードに動いて地面(ターフ)の感触を試し自らの身体能力を最大値に高めてゆく場所なので、あの美しかった芝がこんな感じになっています。


こんなところも、目砂を入れて芝刈り・転圧1回で元通り回復すると云うんだから驚きです(^^)
次の試合は水曜日のナイター。たった4日後には芝が育って元通りになおるそうです。
まさに魔法のピッチですね。

踏圧の影響を体験

「踏圧で土が締まる」とよく言いますが、実際のところ締まった土(砂)と締まってない土(砂)を同じ場所で比べたことは、今までありませんでした。

ここは副審が試合中、常時ライン沿いに移動し続けるゾーン


教科書的には、サッカーグラウンドで最も傷む場所と云われるゾーン。

ご覧の通り、ラインに沿って肩幅ほどの範囲に副審のスパイク跡がたくさんついていますが芝は傷んでいません。
ここで佐野さんが「ラインに向かって一歩ずつ歩いてみて!」って仰ったので、歩いてみました。
芝の縁からの踏み心地は、前回のブログに書いた「体操競技の床」のような柔らかく弾力性がある感触。
しかし、副審が踏んだ場所だけ、硬い。カチカチじゃないんだけど、他の場所と比べて明らかに詰まった感触があります。
これが踏圧による砂(土)の締まりなんですね。この感触を体験できたのは貴重な経験です。ハッキリ違いがわかります。

前回のブログでお話ししたとおり、IAIスタジアム日本平は、Jリーグスタジアムの中で最も土が柔らかく管理されたスタジアムなので、副審の踏圧で締まった床土部分でも、一般的なスタジアムと同じか、やや柔らかい位だそうです。

芝という「生き物」を扱うお仕事だからこそ

佐野忍さん率いるグリーンマスターズ清水のターフ管理には随所に芝の命に配慮した工夫があります。

ゴールのネットの固定方法にも芝へのおもいやり

球が抜けないように下部を地面に固定する必要があります。

一般的には杭を打ち込んで固定したり、錘を乗せて固定するそうですが、これは多少なりとも芝生を傷める方法。
IAI日本平スタジアムでは杭や錘を使わず、地中に設置したアンカーにワイヤーをターンバックルで張る方法をとっていました。


グリーンマスターズ清水が開発した方法だそうです。
この方法なら芝を苦しめる錘も、杭も要りません。

試合時に設置される電光表示装置の土台にも工夫が



この穴は特注で加工して開けているそうです。標準仕様では、芝が荷重から逃げる空間は確保されているものの、空気穴が小さく、窒息や蒸れ回避の観点では充分とは言えない。
穴を特別に大きく開ける加工をすることで、土台の中に空気の流れをつくり、芝が円滑に呼吸できる環境を確保しているんです。
試合後、撤去するとこんな模様がつきますが、なにもしなくても芝が回復してくれるそうです。


このマス目一つ一つに「空気穴」からの空気が届いているわけです。

芝の命を知り尽くしているからこその、愛情ですね(^^) それがハイクオリティーなターフを保ち続けることに繋がってる。

床土の構造から芝の命管理まで、隙のない究極のスポーツターフ。
芝という植物は、目的・気候・環境・社会的意義によって、実に様々な管理がある。
その場所での究極は、その場所に適合させて人間側が見つけるもの。

共通する最も大切なポイントは「芝の命を知る」こと。
大前提として、芝が育ちやすい状態とはどういうことかを理解することだと思います。

スポーツターフクオリティーは心の結晶

今回学ばせていただいた、IAIスタジアム日本平の究極のターフ管理のケースでは、グリーンマスターズ清水の卓越した芝草管理技術のみならず、施設開設30年の歴史の中で、スタジアム運営側も、清水エスパルスチーム関係者側も「ターフクオリティーを大切に運営する」という意識が当然のように根付いています。

そこには、清水エスパルスがどんなに負け続きで辛い時でもアイスタに足を運び、応援し続ける根強いファン達の存在と、ファンに感謝し地域に積極的に貢献する清水エスパルスチームの志があります。

スタジアムのターフクオリティーは、ファンも含めたスタジアム運営全体のエスパルスコミュニティの集大成として成立する「心の結晶」だということを学びました。

そんな中、目の当たりにした待望の勝利の瞬間!
歓喜にわくファン達の地響きのような大合唱!
この日のことを生涯忘れることはないでしょう(^^)
全体がドラマ、人間模様の結晶なんです。

芝生への探究心で繋がる人のご縁の連鎖

現場に行かなければ決して学ぶことができない「場味」。佐野さんとスタジアムの「空気」に触れ、芝生観といいますか、世界観が変わってしまうくらい影響を受けました。
芝生は「命を活かす技術力」と「これを尊重する社会学」の結晶。そう実感し、さまざまな場面での芝生活用を理解する際の大切な要素「芝草管理の真髄」を授かりました。

グリーンマスターズ清水のチームの皆さんには、本番のお忙しい中、見学させていただき、あたたかくお導きいただいて深く感謝しています。ありがとうございました!

私事ではございますが・・・

芝草管理技術者2級を勉強しておいて本当によかった(^^)こういう学びの機会を活かすために、素人基礎知識レベルから脱却したかったんです。

そして、当初、今回の受験を諦めようとしていた僕を、猛烈に学習に引き込んでくれた芝学友、イクシバ!プロジェクト尾木さんの存在があります。
情熱をもって「諦めるな!私たち、芝学友じゃないか!」と。あれがなかったら僕は2級レベルのプロ知識を知らずに今日を迎えていたことでしょう。
佐野忍さんのお話を聞き、心動き理解するたび、尾木さんへの感謝の念が込み上げてきました。

僕の芝生への探究心は、人のご縁に支えられています。
貴いことです。このご縁に感謝してこれからも大切にしていきたいと思います。

大きな反省点

僕はこれまで全然、サッカー観ない人だったんです。
せっかく佐野忍さんがサッカーの歴史的偉大な選手のお話をしてくれても「そーなんですかー」しか言えない自分が悔しい・・・
こんどはサッカーの勉強しなきゃ(^^;)
清水エスパルスは、僕の人生最初のJリーグ試合。
目の前で勝利を魅せてくれました。
ここから僕のJリーグが始まります。
今回のすべての学びの感動と共に、清水エスパルスの勝利があります。
ありがとう!清水エスパルス(^^)応援します!!

2回にわたるブログ、全部読んでくれた方、ありがとうございました。
この学びはこれからに強烈に活きます。

YouTube「芝生の雑学 東京40まいる」では、芝生がもっと好きになる情報をお伝えしています。

興味がある方は、ぜひ、チャンネル登録をお願いします。
https://youtube.com/@turfgrass芝生の雑学 東京40まいる - YouTube

次の動画か、ブログでお会いしましょう。
ランキングクリックしてね!

では、また!